ダイエットで便秘になるのはなぜ?
ダイエットをして便秘になってしまったことありませんか?普段便秘になんてならない人が「ダイエットを始めたら便秘になってしまった」なんてケースよくあります。
ダイエットのせいで便秘になると、ますます痩せにくく悪循環になってしまいます。ダイエットをして便秘になってしまう大きな原因は次の2つです。
・炭水化物(糖質)を制限しすぎて食物繊維が不足
・食事量を減らしすぎて水分量が不足
便の成分の60〜70%は水分です。炭水化物の制限も含めて、食事量を減らし過ぎて水分量が不足し、便が硬くなって排泄しにくくなっているのです。
こんなダイエットが便秘になる
こんなダイエットが便秘の原因です。
- 過剰な糖質(炭水化物)制限
- 肉類を摂り過ぎている
- 食事量を減らし過ぎている
- ストレスが多い
糖質(炭水化物)を制限しすぎている
ダイエットで便秘になる原因で一番多いのは、炭水化物を制限し過ぎていることです。炭水化物を極端に制限すると、食物繊維の摂取量も水分摂取量も減ってしまいます。結果、便が硬くなり過ぎてしまい排泄できず便秘になってしまいます。
肉類を摂りすぎている
ダイエット中は低脂肪の肉類を多く摂りがちですが、これも便秘になりやすい原因です。動物性食品は腸内の悪玉菌のエサになるので、肉類の摂りすぎは腸内環境を悪化させます。
炭水化物を過剰に制限し、肉類中心の食事だと腸内環境は一気に悪化します。結果、腸の働きが悪くなり便秘を引き起こしてしまうのです。
食事量を減らしすぎている
食事量の減らしすぎは便自体が少なくなります。また排便に大切な「脂質、食物繊維、水分」が低下します。
どれもスムーズな排泄には欠かせないものです。また「乳酸菌、ビフィズス菌、ビタミン、ミネラル」といった、排便に重要な栄養素も不足がちになります。
通常、食事からの水分摂取は1日の全水分摂取量の30%を占めます。ダイエットで食事量を制限をすれば水分摂取量の低下にもなります。水分量が少ないほど腸のぜん動運動が不活発になりますし、便自体も硬く排泄しにくくなってしまいます。
ストレス(自律神経の乱れ)
腸と自律神経は大きくかかわっています。腸は副交感神経が優位な時に働きますので、ダイエットのストレスのせいで自律神経が乱れてしまうと、腸の働きが弱まってしまいます。
大なり小なりダイエットに我慢や頑張りは必要ですが、精神的にも肉体的にも負担になるだけのダイエットは心身ともプラスにはなりません。
便秘は痩せにくくなる
便秘は新陳代謝を低下させ、さらに痩せにくい体に変えてしまいます。ダイエットをして便秘になってしまうと負のスパイラルに陥ってしまいます。
【ダイエット便秘の悪循環】
ダイエットをして便秘になる
↓
便秘だから痩せにくい
↓
痩せるためにさらに無理をした食事制限をする
↓
さらに便秘を悪化させる
↓
ますます痩せにくくなる
便秘だと痩せにくいのはなぜ?
便秘はダイエットの大敵です。便秘だと痩せない原因は「腸内環境の悪化」 です。腸内環境が悪化すると次のような問題が起こります。
新陳代謝の低下
便秘は腸内環境悪化の最も大きな原因です。腸は新陳代謝に大きく関わる「栄養素を吸収し各細胞に届ける」 役割を持っております。
腸内環境が悪化すると栄養を吸収しにくくなり、細胞へ十分な栄養素を届けることができなくなります。結果、新陳代謝が低下してしまいます。
また便秘によって腐敗した便から発生した毒素は血液に乗って全身の細胞に渡ってしまいます。これも新陳代謝を低下させる大きな原因です(便秘だと肌荒れやできものが起きやすいのはそのせい)。
肝臓への負担が大きくなる
肝臓はアンモニアなど体内の毒素を解毒する役割があります。体内の毒素は肝臓で解毒され、尿や便となって体外へ排出されます。
便秘で腸内に便が長い時間滞留すると、腐敗が進み毒素を発生させます。発生した毒素も肝臓で解毒されます。つまり便秘で毒素が発生するほど、解毒作業が増え肝臓に負担がかかるのです。
肝臓の基礎代謝の割合は約21%です。全身の骨格筋量が約22%なのでほぼ同じです。肝機能が低下するほど基礎代謝も低下し、太りやすくなってしまうのです。
栄養の吸収低下
腸内環境が悪いと食べたものの栄養の吸収が悪くなります。「栄養を吸収しにくい方がかえって太らないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、栄養を吸収しなければ細胞が効率よく働くことができません。結果、エネルギー活動が低下し代謝も下がってしまうのです。
また栄養を吸収しにくいということは筋肉量の増加も見込めません。痩せるためには筋トレをして筋肉量を増やして基礎代謝を高めることが必要です。
しかしどんなに筋トレを頑張っても、筋肉の成長に必要な栄養が細胞に行き届かなければ、筋肉は成長せず筋肉量も増えません。増えないどころか減ってしまう恐れもあるのです。
便秘になってしまったら見直す項目
2.食物繊維を摂る
3.タンパク質をバランスよく摂る
4.発酵食品を欠かさない
5.食事量を減らしすぎない
6.水分を摂る
7.オリーブオイルを1杯摂る
糖質制限ではなく種類を変える
ダイエットで重要なのは炭水化物を過剰に制限することではなく、上手にコントロールすることです。普段GI値の高い糖質が多い場合には低いものに変えるようにします。
【炭水化物(主食)のGI値表】
GI値の高い炭水化物 | |
食品 | GI値 |
白米 | 84 |
食パン | 91 |
フランスパン | 93 |
うどん(生) | 80 |
GI値の低い食品 | |
玄米 | 56 |
玄米(お粥) | 47 |
五穀米 | 55 |
白米(お粥) | 57 |
ライ麦パン | 58 |
そば(生) | 59 |
GI値の低い食品を上手に主食にしていきましょう。また白米は冷や飯にするとGI値が低くなります。この他果物もGI値が低くおすすめの食品です(糖分が高いことは事実なので摂りすぎはNGです)。
水溶性食物繊維を多く摂る
ダイエット中は少なからず炭水化物(糖質)の摂取量が減ります。そうなると食物繊維量も減るので、代わりに十分食物繊維は摂取するように意識してください。
食物繊維は「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」に分かれます。それぞれ作用が違いますので、バランスよく摂ることを意識してください。
【食物繊維の便秘解消効果】
・腸を刺激し、ぜん動運動を活発にする
・便の水分を吸収し便の嵩を増やす
・便に水分を与え柔らかくする
・腸内の善玉菌を増やす
【水溶性食物繊維の種類】
海藻類、なめこ、オクラ、アボカド、インゲン豆、ごぼう、納豆
・ダイエット効果
水溶性食物繊維は食後の血糖値の上昇を抑えたり、脂質の吸着を防ぐ効果があります。食事の最初に摂ることで体脂肪増加を防いでくれます。
・便秘解消効果
便秘の多くは腸内に便が長い期間滞留して硬くなって出にくい状態になっています。水溶性食物繊維を摂ることで、腸内の便に水分を与えて柔らかくし排出しやすくしてくれます。
■不溶性食物繊維
豆類、きのこ類、玄米、イモ類
・ダイエット効果
不溶性食物繊維は満腹感を得やすく、食べ過ぎを防ぐ効果があります。また有害物質を吸着して体外に排出する作用もあり、有害物質が体内に蓄積するのを防いでくれます。
・便秘解消効果
不溶性食物繊維は腸を刺激し、ぜん動運動を活発にしてくれます。また便の水分を吸って量を増やしてくれる作用もあります。
タンパク質は肉類に偏らないようにする
肉類ばかりだと腸内環境を悪化させてしまいます。肉類ばかりにならないように、タンパク質の種類をバランスよく摂ることを心がけてください
【ダイエット中のおすすめタンパク質】
・青魚
・タコ、イカ、エビ、貝類など
・大豆食品(豆腐、納豆)
・鶏肉、ささみ
・ミックスビーンズ
・卵
・ヨーグルト
発酵食品を摂る
発酵食品はダイエット、便秘解消ともに欠かせない食品です。乳酸菌などを多く含むので、善玉菌を増やしてくれます。また酵素食品でもあるので、体内酵素を制約し代謝を高めてくれます。毎食1品は必ず食べるようにしましょう。
【手軽に取れる発酵食品】
納豆、かつお節、甘酒、キムチ、ぬか漬け、ピクルス、味噌、ヨーグルト
食事量を減らしすぎない
減らすべきは糖や高カロリー食品であって、食事量自体を大きく減らさないように注意してください。タンパク質食品や野菜、きのこ類、海藻類、豆類といったものはたくさん摂るようにしましょう。ただ調理法にだけ注意してください。「蒸す、煮る、茹でる」といった調理法にすると油を使わず余分なカロリーをカットすることができます。
水分を摂る
食事による水分摂取量が減ることも考慮して、水をしっかり飲んでください。水は排便だけでなく、脂肪を燃焼させるためにも重要なものです。
水分摂取量の目安は「体重×30〜50ml」程度になります。通常、そのうち800ml〜1Lは食事から摂取しているのですが、ダイエット中は多少なりとも少なくなります。ですので、ダイエット中は普段以上に水分を取ることを意識しないといけません。
オリーブオイルを摂る
オリーブオイルには「腸を刺激してぜん動運動を活発にする」「腸内の滑りをよくして排便を促す」効果があります。
オリーブオイルに含まれるオレイン酸は、胃や小腸で吸収されることなく大腸に運ばれ、腸のぜん動運動を活発にしてくれます。毎日エクストラバージンオリーブオイルを、スプーン1杯直接飲むようにしましょう。
オリーブオイルの排便効果について
⏩「O-2-G26 エキストラバージン・オリーブオイル摂取による、重症心身障害児への排便効果」
【脂質だけど大丈夫?】
油を飲むと聞くと「太らないかな?」と心配になる人もいると思います。しかし心配いりません。オリーブオイルに含まれるオレイン酸は血中のコレステロールを減少させる効果があり、むしろダイエット効果の高い食品なんです。
確かにカロリーが高く、オリーブオイルの脂質であるオメガ9は、体内でも生成できるので摂りすぎはよくありません。しかしダイエット中の便秘予防にスプーン1杯摂ることは何の問題もありません。太る心配はせず積極的に摂ってみてください。
便秘知らずのダイエットにおすすめの食品
ダイエット効果も高く、便秘にもなりにくいおすすめの食品はこちらです。
食品 | 詳細 |
海藻類 | 水溶性食物繊維を多く含み、便秘にならないためには必須の食品。さらに血糖値の上昇や脂質の吸着を防ぐので、ダイエット効果も抜群。 |
アボカド | 食物繊維を多く含み、水溶性不要性のバランスも良い食品です。また不飽和脂肪酸が多く老け痩せしない効果もあります。カロリーが高いので1日半分を目安にしましょう。 |
納豆 | 良質なタンパク質源、酵素や乳酸菌を含む発酵食品、食物繊維の含有量も比率も良い、ということなしの食品です。 |
ピクルス | お酢は血糖値の上昇や脂質の吸着を防ぐ効果があります。また酢酸が腸を刺激するので排便にも効果的です。 |
十割蕎麦 | GI値が低く栄養の面からも非常におすすめの食品です。食物繊維、ビタミン、ミネラル、そしてタンパク質も豊富に含まれており、糖質制限中に炭水化物を摂るなら十割蕎麦が最もおすすめです。 |
オリーブオイル | 便秘解消だけでなく、美肌効果や血中コレステロールを減少するこうkもあります。 |
リンゴ酢 | 血糖値の上昇を抑える、脂質の吸着を防ぐほか、腸を刺激して排便を促します。脂肪燃焼にも効果的なので毎日摂りたい食品です。(水や炭酸で割って飲むのがおすすめです) |
まとめ
ダイエットをして便秘になってしまったら元もこのありません。ダイエットをして便秘になってしまったことがある人、現在ダイエット中で便秘気味になってしまった人は、改めてダイエットを見直してみましょう。