ダイエットをして痩せたのに疲れやすくなったのはなぜ?

寝不足

この記事を書いた人

小泉誠 小泉誠 グロウゲート代表

パーソナルトレーナー 
柔道整復師 
ボクシングトレーナー
世田谷区用賀にある体幹トレーニング専門サロン「グロウゲート」代表。2016年より当サロンを運営し、40代50代のトレーニングやコンディショニング、ダイエットに従事している。

目次

痩せても疲れやすくなる原因

本来、太っていて重い体が痩せたのであれば疲れにくく動きやすい体になるはずです。しかしダイエットで痩せたのに逆に疲れやすくなった、という人もたくさんいます。それには次のような原因が考えられます。

筋肉を減らしている

体重が減っても疲れやすくなる原因で最も多いのは、筋肉量を減らしてしまっていることです。筋肉量が減って体重が落ちたのは痩せたとは言えません。ダイエットで筋肉量を減らしてしまうと、自分の体を支える筋力や動かす筋力が低下し「体が重い、動くのが大変」という状態になってしまいます。

筋肉量を減らす原因

間違った食事制限

単純に量だけ減らすような食事制限は筋肉量を減らしてしまいます。過剰な糖質や脂質などのエネルギー量を減らすことは必要ですが、タンパク質や代謝に必要なビタミン、ミネラルは不足しないように気をつけないといけません。

【食事制限をすると筋肉量が減りやすいのはなぜ?】

過度な食事制限で食事から入ってくるエネルギー源少ないと、エネルギー源はどこから供給されるかというとまず筋肉や肝臓です。筋肉の中のタンパク質を分解してエネルギーの材料にするのです(これを糖新生と言います)。

厳しい食事制限ではどうしてもエネルギーが不足しがちになります。不足してしまったエネルギーは大切な筋肉を分解して補う形になります。厳しい食事制限は脂肪量を減らしてくれますが、大切な筋肉量も大幅に減らしてしまうのです。

運動に対して栄養が不足している

筋トレをすればその分タンパク質などの栄養素がより必要になります。特に糖質を制限しすぎていると、摂取しているタンパク質がエネルギーとして使われてしまいます。

そうすると筋肉の修復成長のためのタンパク質が不足してしまい、筋肉が減ってしまう可能性が高くなります。筋トレの後にタンパク質を摂取する場合は少量の糖も一緒に摂るようにしてください。

運動不足

食事制限だけで運動を全くしていないダイエットも、筋肉量を減らしてしまいがちです。

筋肉量減少が疲労につながる理由

体を動かしたり支えたりする筋力の低下

筋肉量が多く筋力が高いほど動きやすく疲れにくいものです。体重が軽いか重いかではなく、自分の体重を支える力や動かす力が高いかどうかが重要です。また筋肉量や筋力の低下は肩こり、腰痛などの不調を招くこともあります。

体温が下がる

筋肉は体温維持にも重要な役割を果たしています。筋肉量が少ないと体熱産生が低く、体温も低くなりがちです。体温が低いと体内酵素が活発に働きません。よって消化も代謝も効率が悪くなるので疲れやすくなるのです(35度台は要注意です。非常に疲れやすい体質と言えます)。

血流が低下する

筋肉量が減ると血流も低下します。人の体は血液によって新鮮な酸素や栄養素を各細胞に運び、また疲労物質や老廃物を回収していきます。血流が悪ければ回復力も低下し、疲れやすい体になってしまいます。

体重の落としすぎ

必要以上に体重を落としすぎることも、疲れやすくなる原因です。そもそも疲れやすくなるほど体重を落とせば、見た目の見栄えもしないはずです。理想体重は年齢や性別、なりたい体型によっても異なりますが、最低BMI18.5は切らないようにしてください。

※BMIとは体格指数のことで体重を決める指針になります。身長と体重の関係から算出される体重値で肥満度の指標になります。標準体重はBMI18.5〜24.9です(理想体重はBMI22程度です)。
BMIの計算
体重(kg)÷(身長(m)の2乗)

日本肥満学会の肥満基準

状態BMI指数
低体重18.5未満
普通18.5以上 25未満
肥満(1度)25以上 30未満
肥満(2度)30以上 35未満
肥満(3度)35以上 40未満
肥満(4度)40以上

※肥満の判断はBMIだけでなく、体脂肪率も兼ね合わせてチェックすることが必要です。仮にBMI25以上でも、体脂肪量は少なく筋肉量が多いためにBMIが高くなっていることもあるので。

オーバーワーク

「痩せるために毎日ハードなトレーニングと徹底的な食事制限」・・・。それでは体重が落ちても疲労が蓄積してしまいます。ダイエット中は頑張る気持ちが強く、気が張ってて気づかないことがよくあります。オーバーワークは筋肉量を減らしてしまう原因にもなります。

腸内環境の悪化

腸は摂取した栄養を吸収し、血液に乗せて全身の細胞に届ける役割があります。しかし腸内環境が悪いと栄養を吸収する働きが低下します。そうなると全身に新鮮な栄養素を十分届けられなくなり、新陳代謝が低下します。細胞に栄養が行かなければ疲労回復(リカバリー)しません。

どんな人でも1日中活動して夜になれば疲れますよね。就寝して疲労が回復しリセットされます。疲れやすい人は就寝して翌日になっても疲労が残っています。これは新陳代謝が低く、就寝中にリセットされず疲労が残ってしまっているからです。その原因の一つが腸内環境の悪化です。

腸内環境を悪化させる原因

ダイエットで多いのは動物性食品の過剰摂取によって、腸内環境を悪化させてしまうケースです。高タンパク低脂肪の肉類は低カロリー低糖質なので、体重は落ちやすいですが腸内環境も悪化させやすくなります。

肉類の摂りすぎ

高タンパク低脂肪の肉類は太らないからと摂りすぎていませんか?

動物性タンパク質は悪玉菌のエサになります。また一番消化に時間がかかります。つまりそれだけ胃腸に負担をかけるということです。

肉類の摂りすぎは腸内環境の悪化を招き、結果的に新陳代謝を低下させてしまいます。

食物繊維不足

食事量を減らすことで食物繊維量自体も減ってしまうと便秘になりやすくなります。また炭水化物を過剰に制限して便秘になってしまうこともよくありがちです。

野菜やキノコ、海藻類といった種類は非常に低カロリーです。油を大量に使った調理でなければ、カロリーオーバーになることはありません。

ダイエットによるストレス

過度に制限をし過ぎたダイエットはストレスが大きくなり、自律神経を乱し便秘を引き起こしてしまいます。ダイエットは大なり小なり我慢は必要ですが、過度な方法は禁物です。

疲れないカラダを作るダイエットとは

痩せても疲れない身体を作るダイエットは、次のようなことを意識してください。

運動をする

食事制限だけでなく筋適度な運動も行っていきましょう。最低限、筋肉量を減らしてはいけません。太りにくい体作りのためにも、できることなら増やすように心がけたいところです。

最低限の糖質は摂る

極端に糖質を制限したダイエットをしている人を見かけますが、必要最低限の糖質は摂るようにしてください。特にトレーニングをしているのに糖質を摂っていない場合、筋肉を分解しエネルギー源にしてしまうこともあります。過度な制限をすることではなく、上手にコントロールすることが大切です。

タンパク質をバランス良く摂る

ダイエット中はタンパク質が肉類に偏りすぎないように気をつけてください。肉類ばかりだと腸内環境を悪化させてしまいます。様々な種類のタンパク質を摂ることが大切です。

■おすすめタンパク質

・鶏胸肉、ささみ
・青魚
・タコ、イカ、海老、貝類
・大豆食品(豆腐、納豆、豆乳)
・きな粉
・高野豆腐
・卵

プロテインでなくても、きな粉を混ぜた豆乳でも十分タンパク質補給になります。

ビタミン・ミネラルを不足させない

疲れない体づくりに欠かせないビタミン・ミネラル
栄養素食品
ビタミンC
疲労回復や抗酸化作用
柑橘類、いちご、キウイフルーツ、パプリカ、ブロッコリー
ビタミンB1
糖質の代謝促進、疲労回復
豆類、うなぎ、カレイ、たらこ、豚ヒレ、豚ロース
カルシウム
精神安定、血流促進
干しエビ、サクラエビ、じゃこ、しらす、ひじき
マグネシウム
精神安定
種実類、大豆食品、わかめ

※効果・作用は「疲れにくさ」に関わるものを記載しています。

酵素食品を毎食摂る

酵素に関しては色々な情報が出ており、肯定的な意見、否定的な意見など様々です。しかし酵素食品(生野菜、果物、発酵食品)を摂ると、疲れにくくなることは確実に実感できます。食品自体体に良いものですし、摂ってマイナスではありません。極力毎食摂るように意識してみてください。

まとめ

ダイエットは健康的で美しい体を作ることが目的です。疲れやすい体になってしまったということは良いダイエットができていない証拠です。まず最も多い原因の「筋肉量を減らしていないか?」ダイエット中は体重だけをチェックするのではなく、体脂肪率や筋肉量もチェックして、間違った方法になっていないか随時確認してください。

  • URLをコピーしました!
目次