体重は気になるけどお米は食べたい人は
お米は多くの日本人にとって非常に馴染み深い食べ物です。「他のものは我慢できるけどお米は食べたい」そういう人も多いのではないでしょうか?
白米を我慢するのはつらい、そんな人は冷や飯にしてみましょう。お米は冷たくなると血糖値の上昇が抑えられるので太りにくくなります。
白米が太りやすい原因
白米は比較的GI値が高く、基礎代謝が低下し始める40代以降では、食べ方次第では太りやすい要因でもあります。
※GI値:血糖値の上昇具合を示すもので、数値が高い食品ほど血糖値を急上昇させる。単純にGI値の高い食品ほど太りやすい
お米のGI値 |
食品 GI値 カロリー |
玄米 56 165 |
玄米(お粥) 47 70 |
五穀米 55 126 |
白米 84 168 |
白米(お粥) 57 71 |
冷やご飯が太りにくい理由
温かいご飯に比べ冷や飯が太りにくいのは次のような理由があります。
レジスタントスターチが増え、血糖値が急上昇しない
ご飯は冷たくなるとレジスタントスターチが増えます。レジスタントスターチは難消化性でんぷんとも呼ばれ、普通のでんぷんと違い、小腸で消化されにくくそのまま大腸に届きます。
でんぷんだけどエネルギーになりにくく、食物繊維のような働きをします。小腸で消化されにくいので、血糖値を急上昇させません。ここが温かいご飯と最も大きな違いです。
【レジスタントスターチの働き】
これまでの様々な研究でレジスタントスターチには、以下の効果があることが確認されています。これらは全てダイエット効果に大きく影響します。
1.血糖値の上昇を抑える
通常のでんぷんは小腸で分解消化され、血糖として吸収されます。一方、レジスタントスターチは小腸で消化されにくいため、摂取しても血糖値を上げにくい 特徴があります。
2.腸内の善玉菌を増やす
レジスタントスターチは小腸で消化されず、直接大腸に届きます。そして腸内の善玉菌のエサになり、善玉菌増殖をサポート します。腸は新陳代謝などに大きく関わるので、腸内環境の良し悪しはダイエット効果に大きく影響します。
3.短鎖脂肪酸の産生
腸内細菌が大腸に届いた難消化性の成分を有用成分に変える作用は腸内発酵と呼ばれています。腸内発酵によってつくられる短鎖脂肪酸には、体の代謝や免疫系を正常に整える作用があることが知られています。レジスタントスターチを摂取することで、腸内での短鎖脂肪酸の産生量が増える ことは、これまでの研究でも確認されています。
4.脂質代謝の改善
レジスタントスターチを長期間摂取する研究では、血中中性脂肪やコレステロールの上昇を抑える作用がある ことが報告されています。
噛む回数が増え、早食いを防ぐ
冷やご飯は温かいご飯と違い、やや固くなっています。しっかり噛む必要があるので、自然と噛む回数が増え消費エネルギーがアップします。
満足感が得られやすい
よく噛むことで満腹中枢が刺激され、満足感が得られやすくなります。同時に早食いを防ぎ、食べ過ぎを防止します。
冷やご飯の優れている点
- 冷めても美味しい
- 違和感がなく、無理なく続けられる
- 手軽
冷たくなってすごく不味ければつらいですが、日本のジャポニカ米は冷たくなっても美味しく食べられます。元々、多くの人が幼少からお弁当やおにぎりなど、冷めているご飯を食べてきた習慣があり、違和感なく食べることができます。
冷やご飯って何℃くらい?
冷やご飯と聞くと、冷蔵庫で冷たくした状態で食べなくてはいけないと思いがちですが、簡単にいえば冷めた状態ということです。冷蔵庫で保存していたとしても、常温程度に戻して食べても問題ありません。
美味しく食べるポイント
- おにぎりにして食べる
- お弁当の場合はおかずと入れ物を分ける
- 温かい汁物を一緒に摂る
作ったお弁当の場合はおかずとご飯の入れ物を分け、おかずだけ温めるようにすると、より美味しく食べることができます。
温め直すのはNG
レジスタントスターチは温かいと数が減り、冷たくなると増えます。一度冷まして数が増えたとしても、再度温めれば数は減ってしまいます。お弁当などは温めないように注意してください。
食べ過ぎに注意
太りにくくなるからと言っても、食べ過ぎはいけません。適切な量、カロリー摂取は心がけてください。またお米など糖質は夕食は少なめが基本です。
まずは1日1食から
ダイエットに冷やご飯を取り入れるなら、まずは1日1食夕食に取り入れてみましょう。糖質で最も太りやすいのは夕食なので最も効果的です。慣れてきたら昼食朝食と増やしていきます。
お米以外に冷たくなると太りにくくなる食品
レジスタントスターチが含まれる食品は、白米同様冷たくなると太りにくくなります。
- 玄米
- 芋類
- 豆類
- とうもろこし
- パスタ
- 大麦
デザートがわりにさつまいもやとうもろこしを食べる時は、冷たい状態で食べることで太りにくくなります。
まとめ
ダイエットはちょっとした知識や知恵でグッと楽になります。知らなければただ我慢する方法しかないし、知っていれば選択肢が増えていきます。
「ダイエットをして痩せたい。でもご飯も食べたい」そういう時は冷やご飯を上手に取り入れたダイエットをしてみましょう。