よくありがちなダイエットの間違い
「ダイエットを頑張っているのに全然痩せられない」こんな場合、その頑張っているダイエットが間違ってしまっていることがよくあります。ダイエットでよくある間違いや勘違いを解説していきます。
食事でよくある間違い
食事に関しても様々なダイエット情報がありますが、実は間違ったことも数多く存在します。
脂質はダイエットの敵
- 摂るべき脂質と避けるべき脂質がある
一昔前のダイエットなら「脂質はダイエットの敵、できるだけ脂肪分は摂らないように」と言われていました。しかし脂質を摂らない方がいいというのは間違いです。ダイエット中でも脂質はしっかり摂る必要があります。
なぜなら私たちの細胞を包んでいる細胞膜は脂質で出来ているからです。脂質を摂らないとハリがなく老けたような痩せ方になってしまいます。また過剰な制限は様々な健康トラブルを引き起こします。
むしろしっかり摂取することで、よりダイエット効果が高まり痩せやすくなる種類の脂質もあります。問題は摂る種類です。体に悪い脂質を制限し、体に良い脂質を積極的に摂ることが大切です。
積極的に摂りたい脂質 | |
オメガ3 | 青魚、エゴマ油、亜麻仁油 |
オメガ9 | オリーブオイル ※オメガ9は体内でも生成できるので、摂りすぎに注意 |
避けるべき脂質 | |
オメガ6 | サラダ油、コーン油など一般的な調理油 |
トランス脂肪酸 | マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド、使い古した油(酸化した油) |
動物性脂質 | 肉の脂身部分 |
朝食はしっかり食べた方がいい
- 食べ過ぎはNG。お腹いっぱいの手前くらいで。
朝食を食べないことは問題ですが、しっかり食べたほうがいいかと言われると少し違います。朝は人間の体のリズムの中で排泄の時間帯です。朝からしっかり食べてしまうと消化に酵素を大量に消費してしまい、その日1日の代謝に使う酵素量が減り代謝が下がってしまいます。
朝食の主な目的は「体温を上げ活動の準備をする、胃に重みを与え排泄を促す、体内リズムをリセットする」といったことです。あまり消化に負担をかけるような内容や量は控えるようにしましょう。
プロテインを摂ると痩せる
- プロテインを摂るだけでは痩せない
プロテインは痩せるサプリメントではありません。ダイエットではすごく奨励されていますが、ただ摂取するだけでは痩せるどころかむしろ太ってしまいます。
プロテインの目的はタンパク質を摂取して、筋肉の成長を促す(筋肉量を増やす)あるいは筋肉の分解を防ぐ(筋肉量の減少を防ぐ)ことです。
プロテインを摂取するのであれば運動(特に筋トレ)をしていることが大前提です。筋トレをしていないのに、「プロテインはダイエットに良さそう」と摂取していたら、その分過剰なエネルギー摂取になり、太りやすくなってしまうだけです。
食べなければ痩せる
- 筋肉量も著しく落ちてしまう
痩せるというのは体脂肪が減ることです。食事を抜いたダイエットでは筋肉量も大幅に落ちてしまいます。
そうすると代謝が下がり、最初のうちは体重が落ちていたけど、一週間くらいしたら全然落ちなくなった・・、こんな状況に陥ったりします。なにより痩せ方が健康的ではなく、貧相で不健康な老けた感じになってしまいます。
野菜ジュースで栄養バランスを取る
- 市販の野菜ジュースでは野菜の代わりにはならない
「ダイエット中は食事制限をしているので、野菜ジュースなどで栄養バランスを摂っている」という人を見かけます。しかし市販のパックの野菜ジュースでは、栄養バランスを整えることにはなりません。製造過程で重要な「酵素とビタミン」は失活しており、身体の生理作用に影響する栄養素は摂取できません。
反対に保存料や甘味料など、添加物を摂取してしまうデメリットが生じてしまいます。
野菜ジュースを飲むのであれば、ミキサーなどで自家製のものにしましょう。
水を飲むと体重が増えるから控えている
- 脂肪燃焼に水は絶対に必要
水を飲んでも太りません。体重が増えたとしても身体の水分量が増えただけです。太るというのは体脂肪量が増えることを言います。きちんと水分を摂取しないと効率よく脂肪は燃焼してくれません。
「体重が増えるから、むくむから」こういった間違った思い込みで水分を控えてしまうと、逆に痩せにくくなりますし健康にもよくありません。
水をたくさん飲むとむくむというのも間違いです。水分摂取が少ない方がむくみます。ダイエットの時こそ運動をしているということもあり、より積極的に水分を摂る必要があります。
和菓子なら太らない
- 和菓子も太る
一時期、和菓子は太りにくいなんてことが言われていましたが、間違いなく太ります。和菓子はあんこや餅が使われていることが多く糖質量が多い食品です。
種類によっては太りにくいものもありますが、和菓子全般を見たら太りやすいものが多いです。
食事制限なし、運動もしないで痩せられる
- 食事改善、運動などで痩せることはできない
よくネットやYouTubeの広告で「食事制限も運動もしないで痩せられる」なんて謳い文句がありますが絶対にありえません。痩せるためには食事の改善やフィジカルの向上が絶対に必要です。
痩せるためには「太ってしまった原因の逆をする必要がある」と考えれば、食事の改善も運動もなしで痩せることがありえないことがわかります。
最近はこういった「〜だけで痩せられる」「たったこれだけで」のようなダイエット商品が多いので、痩せられない人はふらっと頼ってしまわないように注意してください。
運動に関するよくある間違い
運動の場合、せっかく頑張っているのにダイエット効果を下げてしまっていることがよくあります。
有酸素運動の後に筋トレをしている
- 効果的な脂肪燃焼のためには「筋トレ→有酸素運動」の順
有酸素運動と筋トレは順番が非常に重要になります。効果的に痩せるのは「筋トレ→有酸素運動」の順です。筋トレをすると分泌される成長ホルモンには脂肪を分解する働きがあるので、先の行うと有酸素運動の脂肪燃焼が効率よく行われてくれるのです。
有酸素運動はできるだけゆっくりの方が脂肪が燃える
- ゆっくり過ぎるスピードは痩せない
「有酸素運動はゆっくり歩くくらいのほうが脂肪が燃えて効果的」そんなことを聞いたことありませんか?しかし実際は強度が高いほうが間違いなく脂肪は燃焼します。
何分も持続できないほどの強度で行うのは、目的が変わってしまうので脂肪燃焼には適していませんが、ゆっくり歩くより早歩きの方が脂肪燃焼効果が高いことは明らかです。
すぐに挫折してしまうような強度でやることは意味がありませんが、ゆっくり歩くよりは早歩きくらいのスピードを意識してください。「ウォーキングなどの有酸素運動を頑張っているのに一向に痩せない」それはもしかしたら強度が低すぎるのかもしれません。
筋トレをするとムキムキになるから女性はやらないほうがいい
- 気にせず積極的に筋トレをするべき
女性の中には「筋トレをしてムキムキになったらどうしよう」という不安を持っている人がいます。しかしまずムキムキになることはありません。厳密に言えばムキムキになることもできますが、痩せること以上に大変です。
ダイエットのため、あるいはきれいなボディラインを作るために筋トレをするのであれば、気にせず積極的に筋トレをした方が美しく健康的な身体になります。
お腹の脂肪をなくすために腹筋運動をしている
- お腹の脂肪には有酸素運動をするべき
お腹周りの脂肪を減らすために、腹筋運動を頑張っている人も多いと思いますがそれはちょっと違います。お腹の脂肪はおもに内臓脂肪です。お腹の脂肪を早くスッキリさせるためには、脂肪燃焼効果が高い運動をしなくてはなりません。
腹筋運動だけでは消費カロリーが低く、いつまでたってもお腹をスッキリさせることができません。効率を考えたら有酸素運動をしたほうが短期間でお腹の脂肪は減ります。
また筋トレをする場合でも、太ももや背中といった大きい筋肉を鍛えたほうが基礎代謝の向上が早く、お腹周りの脂肪を減らすのには適しています。
筋トレはよりきつい方が効果的
- 目的に合った強度で行うことが重要
筋トレはある程度負荷をかけることが重要ですが、自分の体力や身体状況にあったレベルで行うことが必要です。とにかくきつくすることだけ考えてやっていれば、オーバーワークや怪我の原因になります。
トレーニングには「斬新性」や「個別性」といった原則があります。そういったトレーニングの原則に沿って行うことが効果を最大限に高める秘訣なのです。
※斬新性:強度や頻度内容などを筋力の向上などに合わせて少しずつ上げていくこと
※個別性:性別や年齢、体力水準、障害歴、運動歴など個人的な特性を考量すること
サウナで汗をかけば痩せる
- サウナで汗をかく=脂肪が減るわけではない
「サウナで汗をかけば痩せますか?」こんな質問を受けることがあります。体重は減るけど痩せるわけではありません。「痩せる」というのは体脂肪が減ることを言います。
サウナで汗をかけば体重は下がりますが、それは汗で水分が減ったからです。かいた汗=脂肪燃焼量に比例するわけではありません。同じ汗をかくのでも、運動でかく汗とサウナでかく汗は異なります。
まとめ
痩せるために絶対必要なことは正しい知識です。ダイエットはよく「自分に合った方法で行うことが大切」という言い方がされます。しかしそれは正しい知識に基づいてこそです。
私はダイエットを専門的に指導していますが、間違った情報をもとにしたダイエットで全然痩せられない、むしろ太りやすくなったという人を数多く見てきました。
せっかくやる気を注ぎ時間やエネルギーを注いでも、やっていることそのものを勘違いしていたら結果は出ません。色々な情報が多い現代だからこそ、正しい知識を身につけるようにしていきましょう。