プランクと腕立て伏せの違い
両方とも体を鍛えるという目的は一緒ですが、目的や効果について違いがあります。
目的 | 効果 | |
プランク | 主にインナーマッスルを鍛える | 身体前面および背面の安定性、連動性の強化体幹の強化 |
腕立て伏せ | 主にアウターマッスル(大胸筋、三角筋前部、上腕二頭筋)を鍛える | 大胸筋、三角筋、上腕三頭筋の筋力向上、筋肉量アップ体幹の強化 |
決定的な違い
- 筋肉量が増える効果があるかどうか
運動学的なことなど色々違いはありますが、最もわかりやすくかつシンプルな違いは筋肉量が増えるかどうかです。
腕立て伏せは筋肉量が増えます。対してプランクは筋肉量自体はほとんど増えません(引き締まる効果はあります)。
プランクのやり方と効果
プランクとは
プランクは体幹トレーニング、さらに細かく言うとコアスタビライゼーションの一つです。
静的な動作になり重力に対して、主に前腕とつま先の2点で体を支えるブリッジ動作になります。
プランクでは主に以下の筋肉が鍛えられます。
- 腹筋群(表層、深層両方)
- 下半身前面(太もも前面やすね)
- 三角筋前部
- 頸部伸筋群
- 脊柱起立筋
- 多裂筋
- 骨盤底筋群
簡単に言うと体の前面(床に向いている面)と背中の固有背筋群です。
プランクは体幹トレーニングの基本形の一つでもあるので、ぜひ正しく効果的なやり方をマスターしましょう。
プランクの効果
- 姿勢の改善
- 身体の安定性の向上(バランス)
- 身体前面の連動性の向上
- 神経筋協調性の向上
- 基礎代謝の向上
プランクを行うことで体幹が強くなります。それによって「姿勢が良くなる」「バランスが良くなる「疲れにくくなる」効果を得ることができます。
特に「連動性や神経筋の協調性、姿勢の改善」はダンベルやバーベルを使ったトレーニングでは得られにくいので、体幹トレーニングの特徴と言えます。
プランクのやり方
- 下向きになり、肘を90°曲げて前腕を床につけます(肩の下に肘が来るようなイメージ)。両腕は肩幅程度で平行にします。
- つま先を立てかかとと拇指球が垂直になるようにします。
- お腹をしっかり締めて(ドローイン)身体前面を床から持ち上げます。腕とつま先だけで支えている状態になります。
- 頭頂部からかかとまでが一直線になるように意識してください。
強度を変える方法
プランクがきつくてできないという人は、膝を着いて強度を下げてみましょう。
プランクは前腕とつま先の2点で支えるブリッジ動作になるので、2点の距離で強度が変わります。膝を着くことで距離が近くなり、強度を下げることができます。膝と肘の距離で強度を調整してください。
プランクの注意点
- 頭が下がらない
- お腹が下がらない(お腹が下がると腰が反りすぎます)
- 腰を高く上げすぎない
- かかとが内側に倒れない
- 腕がハの字にならない
特に注意したいのが頭が下がっている、かかとが内側に倒れていることです。気づかずになっていることが多いので注意してください。
プランクの悪い例
■頭が下がってる
■かかとが内側に倒れている
プランクの効果を高めるコツ
- 肩に力みが入らないように首を長くする(方が上がらないようにする)
- お腹をしっかり締め続ける(ドローインの維持)
- お尻を寄せる
この3点を特に意識して行ってください。特にドローインの維持が重要になります。
腕立て伏せとは
最もポピュラーな自重トレーニングの一つです。自分の体重を負荷にして「胸や肩、二の腕」を鍛えるエクササイズです。
腕立て伏せの効果
- 大胸筋、三角筋前部、上腕三頭筋の筋肉量アップ
- 二の腕の引き締め
- 身体前面の強化
- 基礎代謝の向上
腕立て伏せは胸や肩、上腕三頭筋の筋肉量を増やすことができます。高重量を用いたバーベルトレーニングほど筋量アップは望めませんが、確実に筋肉量は変化していきます。
またベンチプレスやチェストプレトといったマシンと違い、自体重を自分で支えながら行うので、身体前面の安定性の強化など体幹を鍛える効果も持っています。つまり腕立て伏せには体幹を鍛える効果もあるのです。
腕立て伏せのやり方
- 下向きになり肩の下に手首、かかとの下に拇指球が来るようにします。ての幅は肩幅よりやや広く、足幅はこぶし1個分くらいです。
- 頭や腰が下がったり上がりすぎたりしないように、頭頂部からかかとまで一直線のイメージをしてください。
- 開いている手のライン上に胸のトップが来るように身体を下ろしていきます。
- 手の平でしっかり床を押して元の姿勢に戻ります。
腕立て伏せの効果を高めるコツ
- ドローインを行う
- 肩甲骨を寄せるようにして、胸のストレッチ感を十分に引き出す
- やや前に飛び込むようにして下ろしていく
プランクと同じくドローインを維持することが重要です。また胸を下げていった時に、しっかり胸の前のストレッチ感を出すことが効かせるポイントです(肩甲骨を寄せるような意識をすると、反対の胸側はしっかりと伸ばされていきます)。
またスタートの姿勢からそのまま下に下がっていくのではなく、少し前に飛び込むようにして胸を下げていきます。両手のライン上に胸のトップが来るようなイメージです。
【腕立て伏せでよくある間違い】
腕立て伏せは構えた位置から、そのまま下に胸を下げていくのではありません。胸を下げていく時は少し前に飛び込むような感じになります。
これはベンチプレスをしたことがある方なら、感覚としてイメージできるのではないでしょうか?ベンチプレスもバーベルを持ち上げたところからそのまま真下にはおろさないですよね。そうしたのどのあたりに来てしまいます。
少し胸の方に引き下げるような感じで、直線的ではなく少し立体的な感じで下ろしていくはずです。腕立て伏せも全く同じです。
プランクと腕立て伏せを効果的に組み合わせる方法
腕立て伏せとプランクと効果的に組み合わせる方法は、腕立て伏せのインターバル中(休憩時間)にプランクを行うことです。
例えば腕立て伏せ20回3セット、セット間の休憩は30秒というメニューを行うとします。そうしたら腕立て伏せのセット間はプランクを行って休憩するようにします。
【例をご紹介】
腕立て伏せ15回3セット行う。セット間の休憩は30秒間プランクを行う。
- プランク 30秒
- 腕立て伏せ1セット目(15回)
- プランク 30秒
- 腕立て伏せ2セット目(15回)
- プランク 30秒
- 腕立て伏せ3セット目(15回)
【ポイント・注意点】
(1)最初にプランクを行う
これは今回ご紹介しているやり方だけに限らず、腕立て伏せをするなら、先にプランクを行うのがおすすめです。
最初にプランクを行うことで体幹部が安定するので、腕立て伏せの動作が行いやすくなります。また肩のインナーマッスルが安定するので、肩の障害予防に効果的です。
(2)自分の筋力に合わせて強度を変える
腕立て伏せ、プランクともに無理のない範囲で自分の体力に合わせた強度で行うようにしましょう。両方とも膝をついて行うことで強度を下げることができます。
まとめ
プランク
- 静的な動作
- インナーマッスルを鍛える
- 筋肉量はほぼ増えない(引き締まる効果はある)
腕立て伏せ
- 動的な動作
- アウターマッスルを鍛える
- 筋肉量が増える効果がある
大きく分けるとこの3つになります。
どちらが良いというのはなく、リュオ方組み合わせていくのがおすすめです。
両方とも体幹トレーニング、自重トレーニングの基本エクササイズなので、ぜひ正しいやり方を身につけていきましょう。