忙しくてもできる「ながら運動」
「疲れやすい、体が重い」「太ってきた」・・・。あなたも運動不足を痛切に感じていませんか?仕事が忙しくて運動する時間がない、そんな時こそ「ながら運動」がおすすめです。
- テレビを観ながら
- 料理をしながら
- 洗い物をしながら
- 歯を磨きながら
- 洗濯物を干しながら
- デスクワークをしながら
- 通勤しながら
運動不足の影響は歳を取るほど体に表れます。しかし運動不足を感じていても、「なかなか運動する習慣を作れない」というのが、実際のところではないでしょうか。
忙しいなど様々な事情で、運動する時間が作れない人は、日常生活で手軽にできる「ながら運動」から始めてみましょう。まずは体を動かす量を無理なく増やしていくことです。
40代の運動不足の割合
国民栄養調査では、運動習慣がある基準を「週2回以上、1回30分以上、1年以上、運動をしている者運動」としています。
現在、健康調査では40代以上の80%が運動不足を感じているといいます。運動をあまりしてこなかった人や忙しい人にとって、今から運動習慣をつけることは簡単なことではありません。
しかし運動不足のままでは、体はどんどん悪い方向に進んでしまいます。運動不足だと、それだけ体に関する悩みが増えることになります。
運動不足から起こる体の不調
運動不足は次のような不調を引き起こしやすくなります。
疲れやすくなる
運動不足を痛切に感じるのは「ちょっと動いただけでも疲れる」「階段がしんどい」といった時です。
運動不足のままだと、ますます筋力が低下し、どんどん疲れやすい体になってしまいます。
太りやすくなる
運動不足のままでは、どんどん筋力は低下していきます。基礎代謝が低下し太りやすくなります。
体型の崩れ
体は動かさないと、どんどん筋肉量が減ってしまいます。筋肉が少なく脂肪が多い体はたるんだメリハリのない体型になってしまいます。
肩こり・腰痛・膝痛
運動不足だと筋力や柔軟性が低下していき、肩こりや腰痛、膝痛といった不調が起きやすくなります。
運動不足が招く病気のリスク
運動不足は様々な病気のリスクを高めます。特に以下のような疾患には注意が必要です。
- 心筋梗塞や狭心症など心臓疾患
- 動脈硬化や動脈血栓
- 脳卒中や脳梗塞など脳疾患
- 糖尿病や高血圧など生活習慣病
- 骨粗鬆症
これらの疾患は運動習慣の有無で大きく変わります。運動不足は発病率を大きく高めてしまいます。特に生活習慣病といわれるものは、防ぐためには運動習慣が必須になります。
運動している人と運動不足の人の違い
運動している人としていない人では、年齢を重ねるほどはっきりと格差になっていきます。
運動習慣のある人 | 運動習慣がない人 |
疲れにくく快適 | 疲れやすく活動的でなくなる |
太りにくいので食生活が楽しめる | 太りやすく食事が楽しめない |
体型が変わらないのでファッションが楽しめる | 体型が変化し好きな服が着れない |
痛みや凝りなど不調が少ない | 肩こりや腰痛に絶えず悩まされる |
自分に自信が持てる | 常に体のコンプレックスを抱えてしまう |
<運動している人は好循環>
体を動かしても疲れにくい
↓
体を動かすことが苦にならない
↓
日常生活で体を動かすことが多くなる
↓
筋力維持や体重増加防止になる
<運動不足の人は悪循環>
体を動かすと疲れる
↓
日常生活でも動く量が減る
↓
体を動かさないからどんどん筋力が低下する
↓
益々、体を動かさなくなる
↓
さらに筋力低下、体重増加が顕著になる
私たちの生活は筋力次第で好循環になるか悪循環になるか分かれてしまいます。筋力が高ければ好循環に、低ければ悪循環に陥りやすいのです。
運動の効果
運動することは健康のためにも、体型やスタイルの維持にも欠かせません。運動には科学的に次のような効果が認められています。
筋力がつき疲れにくくなる
人は加齢によって筋力など身体の機能が低下していきます。その結果疲れやすくなったり、膝や腰の痛みなどの不調を引き起こしやすくもなります。運動をすることで体力の低下を防いだり、向上させることができます。体力レベルが高ければ、それだけ疲れにくく快適に動ける毎日になります。
肥満防止・スタイル維持
運動習慣のある人と運動不足の人では、確実に体型は変わっていきます。特に40歳を越えればなおさら顕著になります。運動には筋肉量の減少防止(増加)や体脂肪を減らす効果があります。食事はもちろん大事ですが、いつまでも良いスタイルを維持するためには運動が欠かせません。
病気の予防
生活習慣病と言われる「糖尿病、高血圧症、血中脂質異常症」、他にも冠動脈疾患(脳梗塞など)や心臓病、がんなどは生活習慣に関わりが強いと言われています。
運動には善玉コレステロールが増やし悪玉コレステロールを減らす効果があり、血液をきれいにしてくれます。血管が詰まったり硬くなるのを防ぐので、動脈硬化や動脈血栓になりにくくなります。
骨が丈夫になる
加齢に伴い骨密度の減少など骨はもろくなりがちです。特に男女で比較すると女性のほうが骨粗鬆症などのリスクが高いことがわかっています。(エストロゲンなどの女性ホルモンの分泌の問題)
骨には関節を介して身体を動かす作用や重力に対して姿勢の維持、内臓などの保護、血液を作る造血作用などがあります。
骨が弱くなると身体を支える力や動かす能力が低下し、寝たきりなどのリスクを高めてしまいます。骨を強くする基本は歩いたり筋トレなど骨に刺激を与えることです。運動によって骨は強化され丈夫になっていきます。
快眠
運動には次のような効果があることが認められています。
・寝つきを良くする
・睡眠時間を長くする
・深い睡眠が得られる
また、運動する人はしない人と比べて、ノンレム睡眠の割合が多いことも分かっています。角な運動や遣り過ぎは逆効果ですが、日中の適度な運動は快眠にも良い影響を与えてくれます。
自律神経の安定
運動不足は血行不良や体温低下、疲れやすくなるなど、自律神経を乱す原因にもなります。適度な運動をすることは、血流促進、寝つきが良くなるなど様々な効果があります。
日常で手軽にできる「ながら運動」
運動が続かない人は、まずは手軽にできる「ながら運動」から始め、少しずつ習慣を増やしみてはいかがでしょうか。
テレビを観ながら
テレビを観ながらでも足指のグーパーをしたり、肩を回すなど簡単なストレッチはできます。他にもバランスボールに座りながらテレビを観ることも、手軽にできる運動不足解消法です。
料理を作りながら
料理の時って常に何かしてるわけじゃなく、火加減を見ている時など手持ち無沙汰になる時ってありますよね。そんな時に足踏みや腿上げ、かかとの上げ下げ、スクワットなどがおすすめです。
洗い物をしながら
お皿などの洗い物をしている時に、かかとの上げ下げや腿の間にタオルを挟んで落とさないようにするなど簡単な運動ができます。
歯を磨きながら
歯は必ず磨く習慣なので、ながら運動には最適です。歯を磨きながら、かかとの上げ下げや腿上げ、片脚立ちなど手軽にできる運動がたくさんあります。
洗濯物を干しながら
洗濯物を干す時、カゴに入っている洗濯物を、腰から屈んで取っていませんか?カゴから取る時、一回一回しゃがんで取るようにしてみましょう。それだけでも脚の運動になりますし、腰痛の予防にもなります。
デスクワークしながら
デスクワークの人の悩みで多いのは「肩こり」「むくみ」「腰痛」です。その対策に次のようなことがデスクワーク中でも手軽にできます。
・かかとの上げ下げをする
・お腹を立てて真っ直ぐ座りドローインを行う
・肩こり解消のストレッチをする
※ドローインはお腹を凹ますようにして、お腹を締める方法。腹横筋などトレーニングになる。
通勤しながら
通勤や買い物など、外に出た時は階段を使うようにしましょう。日常生活では階段を使うことが、最も体を鍛える効果があります。膝の痛みなどを抱えている人は昇る時だけ階段を使うようにしてください。
運動を続けるコツ
運動は続けてこそ効果があります。なかなか続かない人は次のことを意識してください。
シンプル
運動習慣がない人が、最初から手間のかかるような運動だとなかなか続きません。まずは手軽でシンプルなものにしましょう。
短時間
運動を習慣づけるためには、短い時間でスパッと終われるようなものがおすすめです。まずは3〜5分程度で終わるようなものから始めてみましょう。
日常生活で習慣化している所に組み込む
運動を新たに始めようと思うと、習慣が一つ増えることになります。昔からあまり運動をしていない、運動習慣がないという人が、これをやるとなかなか続かず、すぐにやめてしまいます。
新たに運動習慣を作るより、今の生活で習慣化している所に簡単に取り入れるような形にしましょう。今回ご紹介している「ながら運動」がこれに当たります。
小さな目標を作る
継続するにはモチベーションの維持が重要です。そのためには小さな目標を作り、達成感を積み上げていくことが効果的です。
運動不足の解消は早めに対策
運動習慣をつけることは、歳を取るほど心身両面において難しくなっていきます。また運動不足で体力が低下していくと、動くことがますます億劫になりさらに体力が低下する悪循環に陥ってしまいます。
だからこそ、運動不足を感じ始めた40代の時こそ運動習慣をつける絶好の機会なのです。
まとめ
運動不足を感じているけど、なかなか改まって運動する習慣が作れない、そんな人はまず手軽な「ながら運動」から始めて、体を使うことを増やす習慣に慣れていきましょう。