ダイエット中に果物を食べるベストタイミングは?

果物

この記事を書いた人

小泉誠 小泉誠 グロウゲート代表

パーソナルトレーナー 
柔道整復師 
ボクシングトレーナー
世田谷区用賀にある体幹トレーニング専門サロン「グロウゲート」代表。2016年より当サロンを運営し、40代50代のトレーニングやコンディショニング、ダイエットに従事している。

目次

果物を食べるベストタイミング

果物を食べる最良のタイミングは「朝食時と間食」 をしたくなった時です。

 

「果物が太る」は違い

  • 果物は太らない
  • ダイエット中でも食べて大丈夫
  • 食べるベストタイミングは朝食
  • おすすめは南国系フルーツ

これが結論です。

「果物は糖を含むから太る、ダイエットには悪い」と思われている方が多くいます。これは間違いです。果物はダイエットといわず、体に良い食べ物です。

糖が含まれていることは確かなので、食べ過ぎたり時間帯が悪ければ太る原因になります。しかし食べ方次第では、あなたのダイエットを効果的なものに変えてくれます。

 

果物がダイエットに良い理由

果物がダイエットに効果的なのは以下のような理由が挙げられます。

  • ビタミン・ミネラルが豊富
  • 食物繊維が豊富
  • GI値が低い
  • 酵素を含んでいる
  • クエン酸が豊富

ビタミン・ミネラルが豊富

果物はビタミン・ミネラルが豊富な食材です。種類によって含有量の多いビタミン・ミネラルは違いますが、代表的なものとして「ビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンB群、カリウム」あたりです。

■ビタミンA

皮膚や粘膜を正常に保つ働きがあり、老けないダイエットのためには欠かせない栄養素です。他にも抗酸化作用や悪玉コレステロールを減少させる作用があります。

■ビタミンC

抗酸化作用や免疫力強化の働きがあります。他にもストレス対応ホルモン「コルチゾン」生成に欠かせない栄養素でもあり、ダイエット中のストレス対処に欠かせません。

■ビタミンE

ビタミンC同様、抗酸化作用があります。他にも血流促進作用があり、代謝向上に欠かせません。

■ビタミンB群

糖質やタンパク質、脂質の代謝に関わり、特にダイエットでは欠かせない栄養素です。

■カリウム

からだの余分な水分を排出する作用がありむくみ防止に重要です。からだがむくんでいる状態だと、円滑な新陳代謝が行われず効率よく痩せることができません。

 

食物繊維が豊富

食物繊維にはがんや動脈硬化の予防など、様々な有用性が多くの研究で明らかになっています。食物繊維は腸内の善玉菌のエサになり、腸内環境を整えてくれます。

 

【腸内環境とダイエットの関係】

腸内環境が悪いと栄養の吸収が低下し、全身の各細胞に新鮮な栄養素を十分に届けることができず、新陳代謝が低下します。反対に腸内環境が良ければ、新陳代謝が活性化します。

他にも余分なコレステロールを吸着し、体外に排出して血中コレステロール値を下げる働きもあります。

 

GI値が低い

果物はダイエットに良くないと訴える人は、果物には糖が多いことを挙げています。しかしGI値をみれば果物が血糖値を急上昇させないことがわかります。

もちろん食べ過ぎたり、食べる時間が悪ければ太りますが、適切に食べればダイエット効果を高める食品なのです。

果物
食品 GI値 カロリー
パイナップル 65 51
スイカ 60 37
バナナ 55 86
巨峰 50 59
マンゴー 49 64
メロン 41 42
りんご 39 54
さくらんぼ 37 60
キウイフルーツ 35 53
みかん 33 45
32 43
他の糖質食品
食品 GI値 カロリー
白砂糖 109 384
黒砂糖 99 354
ミルクチョコレート 91 558
ショートケーキ 82 343
白米 84 168
食パン 95 264
うどん 85 270

 

酵素を含んでいる

酵素を含んでいることもダイエットに良い理由です。40代以降に太りやすくなる原因の一つが体内酵素量の減少です。老化現象なので大きな個人差はなく誰にでも起こることです。減少自体を防ぐことはできません。

対策は食品から酵素を摂取すること、暴飲暴食をしないことです。酵素は果物全般に含まれていますが、特に南国系の果物(パパイヤ、パイナップル、マンゴーなど)に多く含まれています。

 

クエン酸が豊富

疲労が多い状態では活動量が低下し、代謝が低くなってしまいます。クエン酸は疲労回復に効果が高く、ダイエット中でも快活でアクティブに過ごすために欠かせません。特に酸味の強い果物にはクエン酸が多く含まれています。

 

ドライフルーツはOK?

  • おやつに最適
  • 添加物や砂糖不使用のものを選ぶ

ドライフルーツはおやつにおすすめです。噛みごたえがあり少量でも満足できます(食べ過ぎには注意)。

おやつなどに食べる時は40〜60g程度。添加物や砂糖を使っていないものを選んでください。

 

スムージーについて

スムージーダイエットなどが流行っていますが、単に痩せるための置き換えはおすすめしません。

スムージーは飲み会の翌日など胃腸が疲れている時や、朝食時に食欲がない時などに限定すべきです。基本はそのまま食べることがベストです。

 

【スムージーがおすすめされる理由】

スムージーが良いとされる理由に「細胞が破壊されて酵素が増える」「スムージーにすることでより多くの種類や量を摂取できる」といったことが言われます。

細胞が破壊されることで細胞内の酵素が溢れ出るので、酵素量が増え効果的に摂取できると言われています。しかし問題が二つあります。まずミキサーの問題。酵素は熱に弱いので、高速回転のミキサーだと、摩擦熱で酵素が失活してしまいます。本当に効果を求めるなら低速回転のミキサーが必要になります。

さらに最も根本的な問題として、スムージーにすることで咀嚼が必要なくなってしまうことです。咀嚼をしないデメリットのほうが大きいので、できるだけそのまま食べるべきです。

量の問題ですが、プロアスリートなら別ですが、一般の人がスムージーにして大量に取るほどの量は必要ありません。大量に取ることで逆に太る原因になってしまいます。適量をそのまま食べることが最も良い方法です。

 

 

100%果汁ジュースについて

果汁100ジュースと生果物は別物です。果汁100%だと良いと思われがちですが、市販で売られているものはストレートでも濃縮還元でも、生の果物とは違います。製造法の問題で加熱処理されているので、ビタミンや酵素は失活しています。

どちらかというと太る要因の方が大きいので、ダイエット中に限らず控えた方がいいでしょう。どうしてもジュースで飲むのであれば、市販のものではなく、自家製のフレッシュジュースにしましょう。

 

果物の安全性について

農薬について

果物を食べる際に問題になるのが農薬です。一切気にせずに済む、最も良い方法は「オーガニック・無農薬」を選ぶことですが、それが難しい場合は「国産」を選んでください。

国内で生産する果物については、農林水産省管轄の「農薬取締法」と厚生労働省管轄の「食品衛生法」で農薬に関しての厳しい取り決めがあります。

■農薬取締法とは

農薬の製造から販売、使用のすべての過程を規制するための法律。農薬取締法に基づく登録制度によって農林水産大臣の承認を受けた農薬だけが、製造・販売・使用できる。農薬ごとに使用して良い作物や使用方法が決められている。

■食品衛生法とは

農薬の残有量に関しては食品衛生法第11条第3項に定められてる

農薬の残留量が「人の健康を損なうおそれの無い量」を超えた食品の製造・販売等を禁止するための法律。「人の健康を損なうおそれの無い量」は「残留基準」として食品ごとに設定されており、「残留農薬のポジティブリスト制度」等と称されている。

安全な農作物のために国がきちんと規制していることがおわかりいただけると思います。だからといって確実に安全とは言い切れません。どうしても農薬が気になる場合は、「特別栽培農産物」や「有機JAS認証」が記載されいる種類を選ぶことも一つの手段です。

 

光毒性について

以前、あるテレビ番組で「朝に果物を食べると、紫外線を吸収しやすくシミができやすい」ということが言われ、朝に果物はNGと話題になりました。

簡単な概要を説明すると、その番組では「果物にはソラレンという光毒性が含まれており、朝に果物を食べると日中、紫外線を吸収しやすくシミができやすくなる」といったことが紹介されていました。その後、「朝の果物は金」という言葉は全くの嘘で、朝の果物はからだに毒だとネットで瞬く間に広まっていったのです。

しかし、この話は科学的根拠が全くなくデタラメということを駒沢女子大学の西山教授が詳しく解説しています。

西山一郎 「キウイフルーツにソラレンが含まれるは事実無根である」
西山一郎 「果物や野菜に含まれるソラレンの量はどのくらい?」にお答えします

結論を言うと、この番組で言われたことは事実無根で、果物を食べると紫外線を吸収しやすく、シミができやすくなるなんてことはありません(食べ過ぎると糖化による糖シミができることはあります)。

 

果物を朝食に食べるメリット

果物を食べるタイミングは朝食がベストです。

・ビタミンCを摂取できる
・血糖値を急上昇させずにエネルギーを補給できる
・酵素を摂取できる
・食べ過ぎずに胃に重みを与えることができる

(1)ビタミンCを摂取できる

人間の体は朝8〜9時ごろにコルチゾンというストレス対応ホルモンが生成されます。コルチゾン生成に欠かせないのがビタミンCです。朝にしっかりビタミンCを取ることで、ビタミンC不足の解消になります。

 

(2)血糖値を急上昇させずにエネルギーを摂取できる

果物はGI値が低いので血糖値を急上昇させることなくエネルギーを補給できます。

 

(3)酵素を摂取でき1日の代謝が向上する

朝に食品から酵素を摂取することで、代謝の高い1日を過ごすことができます。

 

(4)食べ過ぎずに胃に重みを与えることができる

朝食には「胃に重みを与えて排泄を促す」という大事な役割があります。しかし食べ過ぎると朝から消化にエネルギーを使うことになり、1日の代謝が低下してしまいます。果物は水分量が多く少量でも胃に重みを与えることができるのです。

 

果物は忙しい時の食事代わりにも最適

「仕事が忙しくて昼食が食べられなかった」こんな時ありませんか?そんな時手軽なのが果物です。食事を抜くと「エネルギー源を確保するために筋肉を分解してしまう」「次の食事で吸収率が高まり過ぎてしまう」「ドカ食いになりやすい」など様々な悪影響があります。

バナナなどの果物なら携帯しやすく、さっと食べることができ、短時間でエネルギーを補充できます。

 

甘いものが欲しい時

ダイエット中に限らず、どうしても甘いものが欲しい時もありますよね?そんな時は果物がおすすめです。本来人間は果物で甘味をとってきました。干し柿などのドライフルーツは昔から今に伝わる人間の知恵です。

現在は多くのスイーツ類が出てきている中で、果物で甘味をとるという原点に戻ることは、あなたの体型、体質を変える非常に良い方法です。現代のスイーツ類に比べ「GI値が低い、脂質が低い、栄養価が高い」など甘いものが欲しい時には最適です。

血糖値の上昇も緩やかですので満足感があり、すぐにまた甘いものが欲しくなるということもありません。ちょっと小腹が空いた時や甘いものが欲しくなった時に少量でも満足感があります。

 

1日の食べる量

農林水産省が推進する健康づくり運動「健康21」では、1日200g以上の果物を食べることを目標にしています。あまり多過ぎても太る原因になってしまいますので、目安としては200〜300g程度になります。

農林水産省 果物と健康

 

おすすめの果物

果物は全ておすすめですが、中でも「南国系の果物、そして旬のもの」 がおすすめです。

他にも状況に応じて、当分の高いもの、酸味が強いものなど上手に摂るようにしてください。

【南国系の果物】

南国系の果物は特に酵素が多く含まれています。

マンゴー、パイナップル、キウイフルーツ、パパイヤ、スターフルーツ、ドラゴンフルーツ、パッションフルーツ、ライチ

 

【旬のもの】

多くの果物が1年中手に入りますが、旬のものを食べることがからだにとって一番良いことです。

例えば、夏が旬の果物はカリウムが多く含まれており、「熱を取りからだを冷ます」作用があります。冬が旬の果物はビタミンCが多く含まれており、風邪の引きやすい冬に免疫機能を高めてくれる作用があります。

このように旬のものを食べることはからだにとって良い効果をもたらしてくれます。

 

こんな食べ方はNG

食べ方次第では太る、糖化の原因になります。

(1)夜遅くに食べる

果物に限らず、夜遅くに食べることは太る原因になります。特に糖質である果物はエネルギー源になります。夜遅くに食べても、摂取したエネルギーが使われずに、体脂肪として蓄積しやすくなってしまいます。

少なくても21時以降は食べないようにしましょう。

 

(2)食べ過ぎ

果物といえど食べ過ぎは太ります。量としては1日200〜300gまでにしましょう(朝食としての量も含めて)。

 

(3)無意味な置き換え

果物やスムージーを置き換えにしたダイエットもありますが、意味がなければ結局リバウンドしてしまいます。早く痩せたいからといった無茶な置き換えはやめましょう。

 

重要なことは体にとって良いか悪いか

現在は糖質を制限することがダイエットでもスタンダードになっています。確かにGI値の高い食品や、主食となる炭水化物の摂り過ぎは肥満の原因です。しかし糖質を含む食品全てを制限するのは間違いです。

特に糖質を含む野菜や果物まで過剰に制限している人をみかけます。しかしそれはマイナス面の方が多くなります。ダイエットは痩せるための食事をすることではなく、健康的な食事をすることです。

ダイエットは「からだに悪いもの、からだに悪い食べ方」を変えていくことです。ダイエットで控えるべき食品はからだに悪い食品です。

そう考えた時、野菜や果物は体に悪いでしょうか?例えば、自分の子どもに「果物は糖質量が多くてからだに悪いから食べたらダメ」と言いますか?間違った食事観念はダイエットの妨げになるだけでなく、健康にもマイナスになるだけです。

日本をはじめ、諸外国でも「果物は体に悪い、食べてはいけない食品」なんていう指針を出している国はありません。果物にはがん予防などをはじめ、様々な健康効果があることが科学的に証明されています。食生活の中で重要な位置付けで、積極的に食べることが推奨されています。

 

まとめ

  • 果物は正しく食べれば太らないし、ダイエットにも良い
  • 朝食に食べるのがベスト
  • 酵素量の多い南国系の果物がおすすめ
  • 甘いモノが食べたい時、間食にも最適

野菜や果物の糖質を気にし過ぎて、逆にダイエット効率を下げてしまっている人が多くいます。砂糖を使ったようなお菓子に比べれば、野菜や果物の糖質なんて微々たる物です。制限してしまっていることで、体にとって重要な栄養素を摂取し損なうほうが、よほどマイナスです。

上手に摂って、より健康的で美しい体を作るダイエットライフに変えていきましょう。

参考文献

1.日本食品標準成分表
2.農林水産省 毎日果物200g運動
3.FACT BOOK 果物と健康 五訂版
4.栄養成分の事典
5.生活習慣と健康づくりと生活習慣病の予防 富永祐民
6.旬の食材百科辞典 フーズリンク

 

  • URLをコピーしました!
目次