血糖値が急上昇すると太るのはなぜ?
血糖値が急上昇すると太ると言われますが、それは以下のような流れで起こります。
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血中に大量の糖(高血糖の状態)
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血糖値を下げるため膵臓からインスリンが分泌され、血中の糖が身体の細胞(筋肉や肝臓、脂肪組織など)に取り込まれる
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肝臓や筋肉に貯蔵できる量は少しなので、過剰なエネルギー源は脂肪に変換され蓄えられてしまう
またインスリンは「脂肪の合成を高める、脂肪の分解を抑制する」働きがあるので、脂肪が蓄積しやすくなります。
血糖値の上昇が緩やかであれば、急激なエネルギー変換も起きず、脂肪に蓄積もされにくくなります。
血糖値を急上昇させやすい食品
血糖値を急上昇させやすいのはGI値の高い食品です。主に「砂糖類、炭水化物類」 この2種類です。両食品とも、精製されている食品ほどGI値が高い傾向にあります。
野菜類の中では芋類などが高めですが、これらに関してはほぼ気にする必要はありません。なぜなら1日あたりに大量に食べることはないからです。
※芋類自体は問題ありませんが、コロッケやフライドポテトなど揚げ物料理は太りやすいので注意が必要です。
砂糖類 | GI値 |
グラニュー糖 | 110 |
氷砂糖 | 110 |
粉砂糖 | 109 |
上白糖 | 109 |
三温糖 | 108 |
黒砂糖 | 99 |
炭水化物(穀類、小麦食品) | |
あんぱん | 95 |
フランスパン | 93 |
食パン | 91 |
バターロール | 83 |
ナン | 82 |
お餅 | 85 |
白米 | 84 |
もち米 | 80 |
赤飯 | 77 |
ビーフン | 88 |
うどん | 80 |
コーンフレーク | 75 |
野菜・果物類 | |
じゃがいも | 90 |
にんじん | 80 |
やまいも | 75 |
この他、表には載せていませんが、「甘い菓子パン類、砂糖を使ったお菓子やスイーツ、清涼飲料水」などもGI値が高い食品です。(基本的に白砂糖が使われている食品はGI値が高い)
血糖値を急上昇を防ぐ食品
血糖値上昇抑制におすすめの食品は海藻類、お酢、こんにゃく です。
おすすめ料理は「わかめのときゅうりの酢の物」 です。調理の手間がかからず安価で、血糖値急上昇を抑える効果が高く、非常におすすめです。
血糖値上昇を抑える働きのある食品
血糖値急上昇防止に効果的なのは水溶性食物繊維とお酢です。水溶性食物繊維を多く含む食品は海藻類とヌルヌルした食べ物です。
- わかめ
- とろろ昆布
- もずく酢
- めかぶ
- インゲン豆
- ごぼう
- なめこ
- モロヘイヤ
- オクラ
- 納豆
- こんにゃく
- リンゴ酢
※黄色のマーカーが付いているものは水溶性食物繊維です。
基本的にはヌルヌルしている食品に多く含まれています。水溶性食物繊維の成分にはペクチン、アガロース、アガロペクチンなどがあります。
胃の中でゲル状になりゆっくりと移動していくので、血糖値の上昇が緩やかになるのです。また血中コレステロールを吸着して排出する働きもあります。
お酢に含まれる酢酸には血糖値上昇を抑える働きがあると言われています。
炭酸で割るリンゴ酢ソーダがおすすめです(炭酸が苦手な方は水で割ってください)。朝食時に一杯飲むのがおすすめです。
お酢の効果について
食酢の食後血糖上昇抑制効果 日本糖尿病学会誌
【注意点】
酢は非常に酸が強いので、直接飲んだりすることは歯や喉の粘膜、胃に刺激が強すぎダメージを与えるので避けてください。
こんにゃくも血糖値上昇を抑えるのに効果の高い食品です。こんにゃくは加工する前は水溶性食物繊維ですが、水酸化カルシウムによって加工されると不溶性食物繊維となります。
こんにゃくの主成分であるグルコマンナンも血糖値の上昇を抑える働きがあります。またほぼカロリーがないことなどダイエット食品としても優秀です。
食後の散歩も効果的
一般的には食後15分くらいから血糖値が上昇し始め、60分後くらいが最も高くなります。それに合わせて運動をすることで効率よく血糖値を下げることができます。
大体食後〜60分の間に行うといいでしょう。散歩適度の軽い運動にしてください。激しい運動は体に負担がかかります。
まとめ
血糖値を急上昇させないことはダイエット的にも、病気にならず健康的に過ぎすためにも必要なことになります。
糖質を摂らないという選択肢ではなく、糖質を摂りながらも上手に血糖値をコントロールすることが、健全な食生活と言えるのではないでしょうか。
ダイエットで糖質を気にしている人は、無理な糖質制限ではなく、血糖値上昇を抑える食品を鳥居入れることをぜひ実践してみてください。
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2.栄養成分の事典
3.食べても太らない食事
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5.栄養生理学・生化学実験(栄養科学シリーズNEXT)
6.からだのための食材大全