「スクワットは腹筋運動よりお腹痩せに効果的、そう聞いてスクワットを頑張ってるけど全然お腹が痩せない・・・」こんなケース多いのではないでしょうか?なぜスクワットを頑張っているのにお腹が痩せないのか、その理由や原因について解説していきます。
スクワットでお腹が痩せない理由
まず食生活に気をつけていることを前提でお話しします。スクワットでお腹が痩せないと感じている人は次の2パターンに分類されます。
- スクワットはしっかりできている → 効果を期待しすぎている
- スクワットのやり方がよくない、あるいは量や負荷が足りない → 適切な効果(筋肉量増加など)が出ていない
効果を期待しすぎている
私自身ダイエット指導をしている立場として、一番感じるのは効果を期待しすぎていることです。スクワットで劇的にお腹痩せする効果はありません。世間であまりにも誇張されすぎていて、多くの人がスクワットにダイエット効果を期待しすぎています。まずスクワットは筋トレなので、脂肪を燃焼する効果はさほどありません。使うエネルギー源はグリコーゲン(糖)です。1回あたりどんなにスクワットを頑張ったとしてもさほど脂肪は燃焼していないのです。
また筋肉量を増やすためには少なくとも2〜3ヶ月はかかります。2〜3ヶ月後、筋肉量が増えて基礎代謝が50キロカロリー上がったとして1日で50キロカロリー、1ヶ月で1500キロカロリーです。実際は筋肉量が増えると活動代謝も向上するので、もう少し消費カロリーは上がるのですが、それでも1ヶ月あたり1500〜2000キロカロリー程度です。脂肪1kg減らすのに筋肉量が1kg増えるだけでは3ヶ月以上はかかる計算になります(体脂肪1kg7700カロリー)。スクワットでお腹痩せをする場合(有酸素運動を併用しない場合)、2〜3ヶ月後から徐々に減り始め目に見えて変化がわかる状態になるまでには半年以上は必要です。
スクワットは現在の体より少しずつ太りにくい体質に変えていくなど長期的に考えていくものです。1ヶ月くらいでどんどんお腹の脂肪が減って細くなるわけではないのです。スクワットでお腹が痩せないと感じている人は短期間での大きな効果を期待しすぎてはいないでしょうか?より短い期間でお腹痩せしたいのであれば、やはり有酸素運動を併用していくことが必要になります。
スクワットのやり方や負荷などが間違っている
スクワットのやり方が間違っていたり、負荷が足りない場合は効率良く筋肉量が増えないので、お腹痩せの効果も期待できません。スクワットはシンプルなエクササイズですが、正しく行うのは意外と難しいものです。また筋肉量を増やすためにはそれなりの負荷や回数も必要なので、継続していくにはそれなりの労力が伴い、手軽にお腹痩せというものでは決してありません。スクワットのフォームややり方が正しいか、改めてチェックしてください。また適切な負荷を変えれば翌日以降筋肉痛が起こります。それらをもう一度見直してみましょう。
正しいスクワットのやり方についてはこちら
スクワットでお腹が痩せていく仕組みを理解していますか?
スクワットでお腹が痩せる仕組みを解説します。
- 筋肉量が増えるには2〜3ヶ月はかかる
- 筋肉量が増えるようなやり方が必要(負荷や回数など)
- スクワット自体は消費カロリーは低いので、体脂肪を減らすような効果は期待できない
スクワットを始めて大体2〜3ヶ月後くらいから筋肉量が増え始めます。筋肉量が増えることで基礎代謝が向上します。筋肉量1kg増えることで全体の基礎代謝は約50キロカロリー前後増えると言われています。筋肉量が増えると内分泌系や内臓系の作用にも影響するので、全体的に基礎代謝量が向上していきます。
また筋肉量が多い人の方が体を動かした時のエネルギー消費量は大きくなります。普通は仕事のために通勤する、家事などで体を動かすなど日常生活で体を動かしています(活動消費量と言います)。ですので基礎代謝だけでなく、活動消費量も増えることになります。※1日の消費カロリーは基礎代謝量+活動消費量になります(さらに運動している人は運動での消費量が加算されます)。
筋肉量が増え基礎代謝が向上すればその分だけ1日あたりの消費カロリーが増え、体脂肪が減っていく計算になります。例えば50キロカロリー代謝が上がれば、1ヶ月で約0.2kg痩せます。実際には筋肉量が増えると体を動かした時の消費カロリーも向上するので、現実にはもっと体重は減るようになります。
早くお腹が痩せるために必要なこと
最も早くお腹痩せする方法は食事量を減らすことです(カロリーを減らす)。今の食事から1日300キロカロリー減らせば1ヶ月で9000キロカロリーになり、体脂肪約1.2kg減る計算になります。カロリーのある栄養素は「糖質(4キロカロリー)・タンパク質(4キロカロリー)・脂質(9キロカロリー)」です。この中で太る原因になるのは糖質と脂質なので、これらを減らしていくようにします。タンパク質は減らしていけません。
運動に関しては効率よく体脂肪を燃焼するのは有酸素運動です。有酸素運動のメインエネルギーは体脂肪、筋トレはグリコーゲン(糖)になります。どんなにきつい筋トレをしても消費カロリーはあまり高くありませんし消費するのはグリコーゲンです。お腹の脂肪を早く減らしたいのであれば、筋トレだけでなく有酸素運動を取り入れていくべきです。
※体脂肪1kg約7700キロカロリー
お腹痩せには効果的なのはスクワットor腹筋運動どっち?
ネットでよくお腹痩せには腹筋よりスクワットの方がいいということが言われますが、これについて正しく解説したいと思います。
スクワット | 腹筋運動 | |
即効性の脂肪燃焼効果 | × | × |
長期的に見たお腹の脂肪を減らす効果 | ◎ | △ |
基礎代謝の向上 | ◎ | △ |
お腹のラインを作る効果 | × | ◎ |
スクワット、腹筋運動ともに筋トレなので即効性の脂肪燃焼効果はありません。ですので両方とも短期間でお腹痩せはできません。対して基礎代謝を向上させる効果はスクワットの方があります。それは単純に腹筋より太ももの筋肉の方が金面積が大きいからです。スクワット、腹筋運動それぞれ単体で続けた場合、2〜3ヶ月後に基礎代謝がより向上するのはスクワットの方です。ですので、少し長期的にお腹の脂肪の減少具合を見た場合、スクワットの方が効果があると言えるでしょう。ただし、シックスパックやアブクラックスといったお腹のラインを作るためには腹筋を鍛えるエクササイズが必ず必要です。
お腹痩せに腹筋運動は必要ない?
お腹痩せに腹筋運動は絶対に必要です。なぜなら腹筋運動をしないと腹筋群の筋肉が鍛えられないからです。綺麗なウエストを作るのに必要なことは「必要以上の脂肪がついていないこと・腹筋群の筋肉量があってしっかりラインが出ていてこと」この2つになります。例えば食事制限や有酸素運動だけだと、お腹の脂肪は減るけど筋肉は増えません。そうすると見た目は太いぷよぷよが細いぷよぷよになっただけのお腹になってしまいます。筋肉量があるから身体にラインが出るのです。
綺麗なお腹の代表といえば男性ならシックスパック、女性ならアブクラックスという縦ラインが入っている状態です。これらは腹筋の筋肉があるからできるもので、お腹の脂肪を取っただけでは作れません。お腹痩せにの基本は食事制限と有酸素運動、基礎代謝を上げるならスクワットですが、最終的には腹筋運動は絶対に必要になります。
まとめ
スクワットでお腹痩せしないのは、おおよそ次の原因です。
- 短期間での効果を期待しすぎている
- スクワットのやり方や負荷が間違っている
- 食事量が多い(カロリーオーバー)
スクワットでお腹痩せしない時、まずは上記の3つをチェックしてみましょう。