バランス能力や正しい姿勢を作るためには体幹を鍛えることが必要ですが、同様に足裏も非常に重要になります。足裏は体幹部と同様に身体の土台になる部分です。「バランスが良くなりたい、腰痛や肩こりしにくいカラダになりたい」そんな人は足裏も鍛えてみましょう。この記事では普段当スタジオで行っているパーソナルトレーニングの一部をご紹介いたします。ぜひ参考にしてください。
体幹と足裏の関係
体幹は木で言うなら幹の部分になり、身体の中心で最も重要と言われます。では根っこの部分はどこになるでしょう?それが足裏です。1日の中で最も地球に接している部分が足裏です。体幹部同様、足裏も身体の土台となる部分なのです。体幹を鍛えたい人には「バランスが良くなりたい、疲れにくい体になりたい、姿勢が良くなりたい」と言った望みがあります。これらは体幹だけでなく足裏の機能も欠かせません。たとえどんなに体幹部が強くなっても足裏の機能が弱いと姿勢もバランスも良くなりません。
足裏は身体の中で最も長く地球に接地している部分です。立っている時や歩いている時など、身体の最下部にあり身体を支えています。足裏には3つのアーチがあり、力学的に合理的な荷重支持機構を形成しています。またメカノレセプターという感覚受容器があり、全身のバランスを保つ役割を果たしています。
足裏の解剖
足部にある筋肉
足部には内在筋という足趾を動かしたり、アーチ形成に関わる筋肉が存在しています。※内在筋とは筋肉の起始停止が足関節より遠位にある筋肉です。足の甲と足底(足裏)にある筋肉で、足指を動かしたり足裏のアーチ形成に関与します。足部内在筋の筋力・柔軟性の低下は、関節の可動性低下や重心バランスの乱れを引き起こし、外反母趾などの原因にもなります。
内在筋の中では「母趾外転筋・小趾外転筋・母指内転筋」などが足のアーチ形成に関わっています。
足のアーチ
足裏には3つのアーチがあります。アーチがあることで足底にかかる体重は分散されて床に伝達されます。
内側縦アーチ
土踏まずを形成しているアーチで、歩行動作と密接に関わっています。「踵骨ー距骨ー舟状骨ー内側楔状骨ー第1中足骨」で構成され、足底踵舟靭帯・距舟靭帯・楔舟靭帯などが関わっています。加齢や重心のかけ方、その他足裏(足趾)の筋力低下などが内側縦アーチを低下させる要因になります(いわゆる扁平足)。
内側縦アーチの低下防止のキーになるのが舟状骨です。舟状骨はアーチの頂点に位置しかなめ石となっています。この舟状骨を引く役割があるのが後脛骨筋ですが、この筋肉を鍛えることが重要になります。
外側縦アーチ
「踵骨ー立方骨ー第5中足骨」で形成され、足のバランスに大きく関与します。
横アーチ
横アーチは内側と外側の縦アーチの間にできるアーチです。「第1中足骨ー第5中足骨」から構成される部位と「内側楔状骨ー中間楔状骨ー外側楔状骨ー立方骨」から構成される部位があります。
メカノレセプター
足裏には足底メカのレセプターという全身のバランスを保つ受容器(センサー)があります。メカノレセプターは地面の状態(デコボコしている、柔らかい硬い、滑るなど)や、身体の傾き、足裏のどこに体重がかかっているかなど感知し、その情報を脳へ送っています。メカノレセプターが低下すると身体の傾きなどを瞬時に察知できず、バランス能力の低下や転倒リスクを高めることになります。
足底メカノレセプターは足裏の中でも、母趾・前足部・踵部に多く存在しています(図の黄色部分)。メカノレセプターを活性化するためには積極的に足裏に刺激を与えることです。例えば「バランスディスクなどに乗って不安定な状態を維持する・青竹を踏む・芝生や砂場など足裏に刺激が入るようなところを歩く」など。室内ではできるだけ裸足で過ごすようにしてましょう。
足裏を鍛える効果
- バランス能力が向上し転倒しにくくなる
- 姿勢の改善
- 外反母趾などの予防
バランス能力が向上し転倒しにくくなる
足裏を鍛えることで、足裏のアーチ改善やメカノレセプターの活性化しバランス能力が向上します。これらの能力は転んだりしないためには欠かせないことなので、特に中高年の方は積極的に足裏を鍛えてください。
姿勢の改善
足裏の重心バランスは姿勢に大きく関わります。例えばかかと側に重心が寄り過ぎれば、姿勢は背中が丸まるような猫背姿勢になりますし、足裏の外側に重心が傾けば脚はO脚気味になっていきます。足裏はある程度理想の重心バランスがあります。立位姿勢では体重の50%ずつが左右の距骨にかかります。距骨はこの荷重を踵骨に25%、母趾と小趾に25%の比率で分配します。この正しい重心バランスが正しい姿勢を作るのに欠かせません。
外反母趾の予防
縦アーチや横アーチの低下は外反母趾の原因になります。足部の筋肉の柔軟性や筋力強化することで正常なアーチを保ち、外反母趾を予防します。
足裏の鍛え方
日常で手軽に足裏を鍛える方法には次のようなものがあります。
足指の運動
足指をグーパーしたり、タオルをつかむタオルギャサーエクササイズなど、足指をよく動かすことで足の内在筋が鍛えられます。足の内在筋は足裏のアーチ形成に関わる筋肉が多いので、よく動かし使うことが大切です。
バランスツールを使う
バランスディスクなどのバランスツールを使ったトレーニングは足裏のメカノレセプターを活性化させます。またバランストレーニングは体幹や足腰の強化にもつながるので、トータル的なバランス能力を向上させます。
裸足で過ごす
裸足で過ごすことは最も手軽に足裏の感覚や機能を活性化する方法です。室内などはできる限り裸足で過ごすようにしてみましょう。
足裏をマッサージする
足裏が硬くなると筋肉も働きにくくなり機能が低下しますので、マッサージをしてほぐすようにしましょう。青竹踏みがオススメです。
当スタジオの足裏トレーニングのご紹介
当スタジオのパーソナルトレーニングの一部をご紹介します。今回はハーフポールを使った足裏から体幹にかけた強化エクササイズです。
パーソナルトレーニング体験のご案内
バランスが悪い、体幹が強くなりたいという人はぜひ一度パーソナルトレーニングの体験レッスンにお越しください。