太りたいのに太れない女性が健康的に体重を増やすコツ

この記事を書いた人

小泉誠 小泉誠 グロウゲート代表

パーソナルトレーナー 
柔道整復師 
ボクシングトレーナー
世田谷区用賀にある体幹トレーニング専門サロン「グロウゲート」代表。2016年より当サロンを運営し、40代50代のトレーニングやコンディショニング、ダイエットに従事している。

目次

太るために必要なこと

太りすぎと同様痩せすぎも、健康や外見の面から大きな問題となります。

特に若い頃は目立たなくても、歳を取って痩せすぎだとシワや皮膚のたるみが目立ったり、見た目が貧相に見えるなど年齢以上に老けて見えてしまいます。

美しい体型になるためには、必要最低限の筋肉量や脂肪量が必要です。痩せすぎの人は頑張っても体重が増えにくく、無理に食事量を増やすと、すぐ胃腸を壊してしまうなどの問題が起こります。

【太るために改善に必要なこと】

・上手にカロリーを増やす
・運動(筋トレ)をする

「とっくにそんなことやってるよ」という人もいるかもしれませんが、いくつかポイントがあります(そのポイントは7.上手に体重を増やすコツで解説しています)。

 

痩せすぎのリスク

体重が少ない痩せすぎは見た目などの美容の問題以上に、様々な病気のリスクの方が重大です。

死亡リスクの増大

太っている人が生活習慣病など病気のリスクが高いことは知られていますが、実は低体重の人も病気のリスクが非常に高いことが研究でわかっています。

心疾患や脳疾患の死亡リスクは、BMI18.9以下が最も高くなります。⏩国立がん研究センター「肥満指数と死亡リスク」

 

骨粗鬆症

立っている時や歩いている時でも、体重自体が骨への負荷になり骨の強化になっています。痩せすぎだと骨への負荷が低くなり脆くなりがちです。

特に女性は閉経後、女性ホルモン「エストロゲン」の分泌が急激に減ることから、男性に比べ骨粗鬆症のリスクが高くなります。

【エストロゲンと骨の関係】
骨も髪の毛などと同じように、古くなった骨を壊し新しい骨を再生して、新陳代謝を繰り返しています。

エストロゲンは骨の新陳代謝のバランスを調整しています。閉経後エストロゲンが減ると、骨の新陳代謝のバランスが崩れ、骨を破壊する作用が強くなり、新しい骨の再生が追いつかなくなり、骨が脆くなってしまうのです。

他にもエストロゲンは、骨からカルシウムが出ていくことを防ぐ役割をしています。エストロゲンが減れば、骨からカルシウムが出ていきやすくなり、骨がスカスカになってしまうのです。

 

月経不順・無月経

脂肪は女性ホルモンの材料でもあります。痩せすぎによって脂肪量が少ないと、女性ホルモンバランスが崩れ月経不順や無月経を引き起こしやすくなります。

BMI18.5以下の低体重の人や体脂肪率が15%以下など、脂肪量が少ない女性は月経不順や無月経が起きやすくなります。

【痩せすぎで無月経になるのは妊娠しないための防衛本能】

低体重だと生命活動とは関係ない生理現象から抑えられていきます。これは自分の生命を本能的に守るためです。そのため、体重が少なく必要な脂肪量がない女性は妊娠機能が削除されます。

妊娠した時の二人分のエネルギー量が確保できないので、自分を守るために妊娠しなくなるのです。低体重になると、月経不順や無月経が起こるのは、妊娠しないように防衛本能が働いているからです。

女性は歳を取るほど妊娠しにくくなります。子どもを望む方にとって、まずは適正な体重があって健康体が最低条件です。これは全年代で言えることです。

 

貧血症

低体重は鉄分が不足し貧血を起こしやすくなります。鉄は赤血球のヘモグロビンの構成成分です。

ヘモグロビンは肺から取り込んだ酸素を全身に供給する役割を持っています。鉄分が不足すると全身の細胞に十分な酸素がいかなくなり、「疲れやすい」「だるい」といった症状が出てきます。

 

ロコモ、サルコペニア

高齢化社会に伴い、「ロコモ、サルコペニア、フレイル」といった言葉がよく聞かれるようになりました。ロコモティブシンドロームとは、運動機器の機能が低下し、寝たきりや要介護のリスクが高い状態のことを指します。

低体重はロコモなどの危険因子の一つであり、将来的に非常に寝たきりや要介護のリスクが高くなってしまいます。

 

痩せすぎで困ること

痩せすぎは日常生活でもこんなデメリットがあります。

貧相に見える

細く引き締まっているのと痩せすぎは違います。痩せすぎは細く見えるのではなく、貧相に見えてしまいます。

痩せていると綺麗に見えると思いがちですが、美しい見た目に重要なことは「体重が少ないことではなく、筋肉量と脂肪量のバランスが良いカラダ」です。

 

体力がなく疲れやすい

痩せすぎは筋肉量も少ないので、体力がなく疲れやすい体になります。動くとすぐ疲れるなど、快適とは程遠い日常生活になってしまいます。

 

ケガをしやすい

筋肉や脂肪は身体を守るクッションの役割を果たしています。痩せすぎはそのクッションがないので、ケガのリスクが大きくなります。

例えば、転んでどこかを打った時、骨折しやすいなどケガのリスクが大きくなります。

 

冷え性など不調が多くなる

筋肉量が少ないと血流が悪くなります。そうすると、血行不良で起きやすい「冷えや肩こり」などの不調が多くなります。

 

体重が増えない原因

  • 食事量が少ない
  • 栄養素が偏っている
  • 栄養素の吸収→合成の能力が低い

40代以降で太れないという人はこれら全てが当てはまっています。

若いうちであれば、食べても代謝が高く太りにくいといったことも挙げられますが、老化の影響が出てくる40代以降では、食事量がそれなりなら、若い頃は太らなかったとしても、中年期以降では確実に中年太りしていきます。

40代以降で普通に食べていても体重が増えない、太れないのであれば、単純に食事量が少なく十分なカロリーや栄養素が摂れていません。

 

理想の体重とは

体重は多すぎても少なすぎてもいけません。また年代によって目標とする体重はやや異なっていきます(基本的に中年以降は20代に比べやや重めになります)。

体重の判断はBMI

BMIとは体格指数のことで次の式で求められます。

BMI=体重(kg)÷(身長m)²

BMIの基準
BMI18.5以下 低体重(少なすぎ)
BMI18.5~24.9 標準体重
BMI25~29.9 肥満1度
BMI30.0~34.9 肥満2度
BMI35.0~39.9 肥満3度
BMI40.0以上 肥満4度

BMIは世界的に用いられている指標ですが、日本人は欧米諸国に比べ、体格が小さいことと、骨格筋量が少ないことが特徴として挙げられます。同じBMIでもより体脂肪が多い肥満の可能性があります。

例えば、欧米人の場合、 BMI19は筋肉量はしっかりあるけど脂肪量が少ない体型、日本人の場合は筋肉量が少なく、体重の多くが脂肪という体型の可能性が高くなります。ちょっと前に言われた隠れ肥満もこれにあたります。

 

40代50代の理想体重

  • 理想体重:BMI22〜23

BMI22程度が理想体重になります。BMI18.5〜24.9が標準体重ですが、40代以降はその範囲の中でも、やや上限のほうが見栄えがします。体脂肪率も重要になりますので、40代50代の標準数値21〜27%の範囲が理想的です。

わかりやすく考えるならBMI、体脂肪率ともに22〜23を目標にしてください。

 

太りたい人がやってはいけないこと

  • 無理に食べる
  • 太りやすいものばかり食べる
  • お酒の飲み過ぎ

無理に食べ過ぎる

摂取カロリーを増やすことは重要です。しかし痩せすぎの人は本来、あまり量を食べることができません。1回の食事量を無理して増やさないでください。胃腸を壊しさらに体重を減らしてしまう恐れがあります。

上手に摂取カロリーを増やすためには良質な脂質を多く摂るようにしたり、1回の量は少なめに回数を増やしたりする必要があります。

 

太りやすいものばかり食べる

太りたいからといって、高カロリーな食事や高GI値食品ばかり食べるのはよくありません。カロリーをしっかり摂ることは必要ですが、揚げ物ばかり食べるのではなく、高カロリーだけど体に良いものを食べることが必要です。

太りたくても、「揚げ物、清涼飲料水、お菓子」などをたくさん食べるのは避けるようにしてください。

 

お酒の飲み過ぎ

ビールなどの糖を含むお酒は太りやすいですが、血糖値を急上昇させ、生活習慣病の原因になる内臓脂肪を増加させます。

またアルコールは筋肉を分解してしまう作用もあるので、お酒の飲み過ぎは見た目は太っても、身体の中身が悪い状態になってしまいます。

 

健康的に太る7つのコツ

  1. 良質な脂質の摂取量を増やす
  2. 色々なタンパク質を摂る
  3. 適切なカロリーを摂取する
  4. ビタミンミネラルを摂る
  5. 1回の食事量は増やさず回数を増やす
  6. 腸内環境を整える
  7. 筋トレをする

良い脂質の摂取量を増やす

体重を増やすにはカロリーを摂ることです。最もカロリーが高い栄養素は脂質です。食事の中で上手に脂質を摂ることが、健康的に体重を増やすためには欠かせません。

なんでもカロリーのあるものを摂るのではなく、良い脂質を積極的に摂り、悪い脂質を制限することを考えてください。

良い脂質(積極的に摂りたい) 制限すべき脂質
オメガ3

アマニ油、えごま油、青魚、くるみ(ナッツ類全般おすすめ)

オメガ6
コーン油、大豆油など一般的なサラダ油
オメガ9

オリーブオイル

飽和脂肪酸

動物性脂質(脂身)

トランス脂肪酸

マーガリン、ショートニング、酸化した油(ファーストフードの揚げ物など)

 

色々なタンパク質を摂る

後述しますが、体重を増やすためには筋トレが欠かせません。そして筋トレで筋肉を増やすためにはタンパク質が必要です。

タンパク質は筋肉を作る主材料なので、筋肉量が多い身体を作るためにもしっかり摂ってください。

しかし肉類ばかりに偏ると腸内環境が悪化し、逆に栄養吸収が低下してしまいます。

タンパク質を摂るポイント

・肉類に偏らない
・色々なタンパク質食品をバランスよく摂る
・運動後と夕食は絶対に摂る
・毎食必ず摂取する
・プロテインを上手に活用する

1日あたりのタンパク質摂取量

体重を増やすのであれば(筋トレをしている条件)、体重×1.3〜1.5g程度 になります。

※卵一個(Mサイズ50g)のタンパク質量が約6.2g程度です。

【おすすめタンパク質食品】

・鶏胸肉、ささみ
・魚介類(魚、甲殻類、貝類)
・大豆食品(豆腐、納豆、豆乳)
・卵
・乳製品(チーズ、ヨーグルト)
・プロテイン(注意が必要)

 

適切なカロリーを摂取する

基本的な1日当たりの摂取カロリーの目安は標準体重(BMI22)×25〜30キロカロリー です。

痩せすぎということは標準体重よりBMIが低いと思われるので、まずはしっかり標準体重の目安カロリーを摂取してください。

 

ビタミンミネラルを摂る

太るためにはカロリーのある糖質、タンパク質、脂質を摂ることですが、それだけでは足りません。それらの代謝を促すために必要な栄養素が必要です。

栄養素 機能 食品
ビタミンB 糖質をエネルギーに変える 大豆食品、豆類、豚肉、タラコ、玄米
ビタミンB 3大栄養素の代謝や成長促進 大豆食品、レバー、乳製品、モロヘイヤ
ビタミンB タンパク質の分解、再合成 レバー、鶏ささみ、バナナ、サツマイモ
ビタミンD 骨の成長促進 鮭、青魚、キクラゲ、
マグネシウム 酵素の活性化(分解消化をサポート) 海藻類、大豆食品、種実類

 

食事回数を増やす

体重を増やすためには、一度にたくさん食べるのではなく、1回の量は少なくていいので回数を多く摂ることが必要です。通常の3食に加え、間に上手に間食を取り入れるようにします。

通常の3食にプラスして2回くらい間食が取れると理想的です。

 

腸内環境を整える

食べたものの栄養素は小腸で吸収されます。しかし腸内環境が悪いと吸収が下がり、効率よく体重は増えません。

【腸内環境を整えるポイント】

・発酵食品を摂る
・食物繊維を摂る
・オリゴ糖を1日1〜2杯摂る
・肉類を摂り過ぎない

 

筋トレをする

体重を増やすためには、ジョギングなどの有酸素運動より筋トレが効果的です。効率よく体重を増やすためには身体の大きい筋肉群を鍛えることです。

まず鍛える部位はこちら

  • 胸(大胸筋)
  • 背中(広背筋)
  • お腹(腹筋群)
  • 太もも(大腿四頭筋、ハムストリングス)
  • お尻(大臀筋)

無理をせず、大きな筋肉群を鍛えるメニュー4〜5種類を2〜3日置きに始めてみましょう。

 

太るためのおすすめ食品

体重を増やすには良質な脂質を含む食品や、GI値が低い糖質食品がおすすめです。あまり量が食べられない人は液体を摂ることで、栄養素の摂取を補えます。

アボカド

栄養価(100g当たり)

カロリー:187kcal
脂質:14.66g
飽和脂肪酸:2.126g
一価不飽和脂肪酸:9.799g
多価不飽和脂肪酸:1.816g

カロリーは高いけど体の良い食品です。脂質の8割は不飽和型です。植物性の脂肪分なので腸内環境を悪化させません。体重を増やすためには1日1個を目安に食べるといいでしょう。

 

ミックスナッツ

栄養価(100g当たり)

カロリー:585kcal
脂質:49g
飽和脂肪酸:11g
一価不飽和脂肪酸:21g
多価不飽和脂肪酸:17g

種実類も健康や美容に良い食品です。ナッツ類はカロリーは高いですが、不飽和型の脂肪が多く、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。

おやつに食べたり、ヨーグルトやサラダのアクセントに砕いて入れたりなど多用できます。

■代表的な種実類

アーモンド、カシューナッツ、マカダミア、ピスタチオ、ピーカンナッツ、ヘーゼ ルナッツ、クルミ、種(かぼちゃ、ひまわり)、松の実、ゴマ

 

ダークチョコレート

栄養価(カカオマス100%で100g当たり)

カロリー:570~590kcal
脂質:34.1g
飽和脂肪酸:19.88g
一価不飽和脂肪酸:10.38g
多価不飽和脂肪酸:1.08g

チョコレートの脂質であるココアバターには、不飽和脂肪酸が多く含まれています。カカオマスには強力な抗酸化作用があり、チョコレートは美容食品としてもおすすめです。

砂糖が主体のミルクチョコレートではなく、カカオマス主体のダークチョコレートでないといけません。選ぶ際は高カカオチョコレートにしてください。

 

果物

果物は糖を多く含んでいますが、GI値は低いので血糖値を急上昇させることはありません。ビタミン、ミネラルを多く含み、積極的に摂りたい食べ物です。お腹が空いてない時など、スムージーにすると量もしっかり摂れます。

果物は酵素を含む食品でもあります。体内酵素量が減少する40代からは非常に重要になります。特に「マンゴー、パパイヤ、キウイ、パイナップル」など南国の果物には、酵素が多く含まれています。

 

豆乳

タンパク質や鉄分、40代女性にとって重要な大豆イソフラボンが含まれています。液体状なので、少食の人にも無理なく摂取することができます。きな粉を混ぜると、より高タンパクになります。

 

アーモンドミルク

豆乳と同じく液体なので、少食の人におすすめです。食物繊維、ビタミンE、タンパク質が豊富に含まれています。豆乳以上に糖質量や脂質量が多いので、体重を増やしたい人には非常におすすめです。

 

体重を増やすのにプロテインは必要?

プロテイン

プロテインは体重を増やすためには効果的です。しかし摂り方を気をつけないと逆に健康を妨げてしまいます。プロテインの摂り方のポイントと注意点は次の通りです。

  • 必ず運動をしていることが条件
  • 摂りすぎない
  • 摂取は運動後

 

まとめ

体重を増やすことは、ある意味痩せることより難しいです。体重を増やそうと闇雲に食事量を増やしても、胃腸を壊してしまうだけです。痩せること以上に運動や食事の管理をしっかりしていくことが大切です。

 

参考文献
1.栄養成分の事典
2.栄養の基本がわかる図解事典
3.スポーツ栄養バイブル
4.栄養科学シリーズNEXT 栄養生化学
5.人体の正常構造と機能
6.もっとよくわかる!腸内細菌叢
  • URLをコピーしました!
目次