プランクはどこに効く?鍛えられる筋肉や効果、メリットについて

プランクとは

プランクは腕(肘)とつま先で支えるブリッジ運動で、主に身体前面が鍛えられます。

トレーニングの種類で言うとコアスタビライゼーションというもので、体幹トレーニングとして紹介されることもあります。

【ブリッジ運動とは】

ある支点間にある身体体節を下から持ち上げて保持する筋活動のことを言います。主動筋は床に面している側の筋肉になります。

プランクの場合、前腕とつま先が支点になります。写真の赤丸の線部分がブリッジ活動で働いている(鍛えられている)筋肉です。

最も筋活動が高くなるのは、支点間の真ん中部分の腹筋群になります。

反対に緑部分の首の後面はテンタクル活動と言い、天井に面している部分(頸部伸筋群)で頭を支えています。

 

鍛えられる主な筋肉

プランク

  • 腹筋群(お腹)
  • 大腿四頭筋(太もも前)
  • 前脛骨筋(すね)
  • 三角筋前部(肩前側)
  • 脊柱起立筋群
  • 頸部伸筋群
腹直筋

お腹の最も表層にある筋肉で、いわゆるシックスパックができる部位です。主に身体を曲げる(屈曲)作用があります。

姿勢の維持や腰痛の予防などあらゆる点から重要な筋肉になります。

 

腹斜筋

わき腹の筋肉になります。より深層にある内腹斜筋、その表層にある外腹斜筋の2層になっています。身体を曲げる(屈曲)以外にも身体を捻る作用があります。

 

インナーユニット

インナーユニットとは体幹部の深層筋群で、腹腔壁を構成する筋肉群のことです。主に「横隔膜、腹横筋、多裂筋、骨盤底筋群」 を指します。

腹腔内圧を保つ筋肉で、力学的には骨盤や腰椎の安定化に貢献し、機能低下が起こると腰痛など様々な機能異常が起こってきます。

 

三角筋前部

肩の筋肉の前面部分になります。三角筋は上肢で最も体積が大きい筋肉ですので、太りにくい体作りに欠かせません。

また肩こりにも重要な筋肉です。肩こりが起こる原因は様々ですが、筋力や筋肉量低下が大きく影響しますので、肩こりの予防や改善にも重要になります。

 

大腿四頭筋

太もも前面の筋肉になります。主に膝を伸ばす作用があります。人体で最も大きい筋肉なので基礎代謝を上げるには最も効果のある筋肉です。

 

前脛骨筋

下腿(膝下〜足首までの部位)前面にある筋肉です。つま先を上に挙げる(背屈)作用があります。

さらに前脛骨筋はバランスに大きく関わる筋肉です。ぐらついた時などのブレーキの役割があるので、前脛骨筋が弱くなると片足立ちなどのバランスが不安定なり、転倒のリスクが大きくなります。

 

脊柱起立筋群

背中にある非常に長い筋肉群です。姿勢の保持に非常に重要で、加齢に伴い弱くなる筋肉ですので、中年以降はしっかり鍛えて筋力を維持する必要があります。

 

頸部伸筋群

首の後ろにある筋肉です。脊柱起立筋群の一種ですが、あえて区別しています。プランクをしている時に頭が下に下がらないように支えるために働いています。

現代ではパソコンやスマホの影響で頭が前に倒れている姿勢が多いですが、この頸部伸筋群が弱くなっていることが挙げられます(特に下部の筋肉)。

肩こりや首痛を起こさないためにもしっかり鍛える必要がある筋肉です。

 

プランクの効果やメリット

  • 姿勢の改善
  • バランス能力の向上
  • 肩関節の安定化向上
  • 肩関節や肩甲骨の可動域の拡大
  • 柔軟性の向上
  • 太りにくくなる

良い姿勢の獲得

プランクで鍛えられる筋肉の多くは抗重力筋です。地球の重力に対して姿勢を保持するのに重要な働き をしています。

プランクではこれらの筋肉が鍛えられるので、プランクを続けていくことで良い姿勢に変わっていきます。

【良い姿勢に欠かせない抗重力筋】

抗重力筋とは地球の重力に対抗して、立位姿勢を保持する働きをする筋群です。

前面:頸部屈筋群、腹筋群、大腿四頭筋、前脛骨筋
後面:頸部伸筋群、脊柱起立筋群、大臀筋、ハムストリン
グス、下腿三頭筋

さらに「頸部伸筋群、脊柱起立筋群、ハムストリングス、ヒラメ筋」を主要姿勢筋と呼びます。

姿勢が良いということは、それだけ無意識に働いている筋肉が多い証拠です。すなわち基礎代謝が高くなり、結果として太りにくい体 にも変わっていきます。

 

バランス能力の向上

プランクは身体を安定、固定させるスタビライザー的な役割の筋肉の機能を高める エクササイズです。

これらの筋肉の機能が高まることで、バランスを上手く維持、回復する能力が向上します。

 

肩関節や肩甲骨の可動域拡大

肩関節、肩甲骨周囲の筋肉、特に深層筋群が活性化されることにより、肩関節を動かした時の安定性が向上 します。安定性が増すことでより大きく動かせるようになります。

※各関節には参考可動域という関節の動かせる幅の目安があります。例えば腕を万歳すれば耳の横辺りまで上がりますが、関節可動域が低くなると、顔の横までしか上がらないなど、可動域の幅が狭くなってしまいます。

 

柔軟性の向上

柔軟性というとストレッチをイメージしますが、プランクのような体幹トレーニングも柔軟性を向上させる効果があります。

柔軟性とは筋肉がほぐれている状態が必要です。プランクを行うことで深層筋群が活性化され血流が改善し、筋肉の柔軟性自体も向上していくのです。

 

太りにくくなる

深層筋群の活性化や抗重力筋の向上による姿勢改善などにより基礎代謝が向上 し、結果的に太りにくい体に変わっていきます。

 

プランクの正しいやり方

プランクはシンプルな動作ですが正しいフォームで行うのは以外と難しいので、しっかりポイントを押さえて行ってください。

プランクの正しいフォーム

プランクは腕とつま先の4点で身体を支えるエクササイズです。わかりやすく言えば、この時の姿勢は普通に立っている時の良い姿勢をイメージしてください。まっすぐ綺麗に立っている姿勢です。

  1. 腕は肩幅程度にし上腕は床に対して垂直(肩の下に肘が来る)。両腕は平行。
  2. 足は腰幅程度で足首が90°程度になるようにつま先をつく
  3. 頭からかかとまでが一直線になるように身体を保持する(特に腰が丸まったり反りすぎたりしないように注意)
  4. 目線はまっすぐ下。あごは約90°

プランクでありがちな間違ったフォームや注意点は次の章で詳しく解説していきます。

 

よくある間違ったフォーム

プランクはただ肘をついて体を支えるエクササイズではありません。特に姿勢が重要になります。

ありがちな間違ったフォームが次のようなものです。

頭が下がってる

プランク悪い例

意外と多いのが体幹部は綺麗だけど、頭が下がってしまっているフォームです。しっかり意識しないと無意識に下がってしまうので注意が必要です。

これは現代では頸部伸筋群(首の後ろの筋肉)が弱化している傾向があることも大きな要因です(スマホ首やパソコン業務の影響など)。

 

腰が高すぎる

プランク悪い例

腰が高くなってしまうのは無意識に腹筋群を楽にしようといていることで起こります。

 

お尻が下がっている

プランク悪い例前面の腹筋群がしっかり働いていない、もしくは強度に耐えきれていないとお尻が下がってしまいます。

腰が反る形になり腰椎に負担がかかるので、しっかりお腹に力を入れて方と同じ高さを保つようにしましょう。

どうしても耐えられず下がってしまう場合は、膝をついて強度を下げて行ってください。

 

前のめりになりすぎている

プランク悪い例

これも腹筋群がきつく、無意識に上体に重心をかけて頼ろうとしている時に起きます。肩の下に肘が来ることを常に意識してください。

 

顔が上がっている

プランク悪い例

あごが上がってしまうと腹筋群の収縮が弱くなり、反対に背部伸筋群の緊張が強くなってしまいます。あごはまっすぐ引いて真下を見るようにしてください。

 

脇が開いている

プランク悪い例

脇が開くと肩甲骨が適切な位置で支持されないので、しっかりと脇を閉め、床についている両前腕が平行になるようにセットしてください。

 

セット数や時間の目安

時間の目安:20〜60秒
セット数の目安:2〜5セット

ウエイトトレーニングのように重量と回数の関係で身体への影響が変化することがあまりありません(最大筋力、筋肉量アップ、筋持久力など)。

無理なく10〜20秒程度から始め、最大で1分くらいを目安に行ってください。

 

効果的な時間帯

起床直後以外で1日の早い時間帯がおすすめです。筋トレをすると成長ホルモンやアドレナリンが分泌されます。

成長ホルモンは脂肪を分解する作用や代謝を促進する作用があり、午前中に行えば代謝が高い状態で過ごすことができます。

反対に副交感神経が優位になる夜遅い時間帯や、腰椎が安定しない起床直後は控えるべきです。

 

力を入れる場所

特に力を入れることを意識したい部位は「お腹、お尻、腕」です(写真の赤丸部分)。

  • お腹を締める(ドローイン)
  • お尻を寄せる
  • 腕で床を押す
お腹を締める

お腹に力を入れて凹ますようにします。いわゆるドローインです。

 

お尻を寄せる

お尻を寄せるように力を入れます。感覚をつかむために一度立った状態で、お尻を寄せるように力を入れてみてください。お尻の横辺りがくぼむような感じになると思います。

瞬間的に寄せるのではなく、プランク中はずっとお尻を寄せるように力を入れ続けてください。

 

腕で床を押す

床に接している腕の部分で床を押すことでより腹筋群に力が入ります。腕で床を押してできるだけ身体が床から離れるようなイメージです。注意点はお尻だけが上がらないようにしてください。

 

強度の調整

つま先立ちの姿勢がきつい場合は、強度を下げた方が安全かつ正しい効果が得られます。

膝をつくことで強度を下げることができます。主に2段階で調整します。

頭から腰までが一直線になるように膝をつく

膝つきプランク

膝をつくことで支点が近くなるので強度を下げることができます。

腰の下に膝をつく

膝つきプランク

さらに支点が近くなるので、より強度を下げることができます。

 

プランクの注意点

  • 正しいフォームで行う
  • 自分の筋力に合った強度で行う
  • 首や腰の不調がある場合はやらない
正しいフォームで行う

プランクは間違ったフォームで行うと効果が得られないだけでなく、ケガなどの原因になります。まずは正しいフォームを身につけましょう。

悪いフォームになる原因の多くは強度が高すぎるケースです。無理をせず自分の強度に合わせて行うようにしてください。

 

自分の筋力に合わせた強度で行うこと

プランクを行う上で大切なことは、自分の筋力に合わせた強度で行うことです。

プランクはブリッジの状態になるので、地面に着いている肘と足の距離で強度が決まります。距離が遠いほど強度が高く、近いほど低くなります。

 

首や腰の不調がある場合はやらない

首痛や腰痛がある場合、悪化させる可能性があるので控えてください。

 

 

プランクはなぜきつい?

プランクはバーベルなどの重いものを持つわけでもなく、自分の体重を支えているだけですが、結構きついエクササイズです。

それは身体を地面に対して平行にすることで、重力を受ける面積が増えるからです。

普段立っている時は地面に対して垂直になっており、関節のロックで上手に支持しているので、そこまで重力の影響を感じません。

プランクの場合は筋肉に強く重力がかかり、ブリッジ動作で身体を支えなければならないので、立っている時以上にキツイのです。

 

40代50代におすすめの理由

プランクなどの体幹トレーニングは特に40代50代の方におすすめです。

なぜかといえば姿勢を保持する筋力が低下していきやすい年代であり、しっかり鍛えておくことで姿勢悪化を防ぐことができるからです。

他にもプランクの効果を見ていただくとわかるのですが、

ヒトが加齢に伴い問題になりがちな部分への効果が非常に多くあります。

【40代以降に起こりがちなトラブル】

・四十肩など肩周辺の不調
・姿勢悪化
・柔軟性の低下
・バランスが悪くなり転倒しやすくなる
・太りやすくなる

これらの改善にも大きな効果が期待できます。

筋肉量の低下ばかりがクローズアップされがちですが、通常のウエイトトレーニングでは鍛えづらい深層筋群を鍛えていくことも欠かせないのです。

 

まとめ

  • プランクは主に身体前面の筋肉が強化される
  • コアスタビライゼーション(体幹トレーニング)なので身体の安定や固定に関わる深層筋群が刺激され強化される
  • 良い姿勢を保持するのに欠かせない筋肉群を鍛える効果があるので、姿勢が悪くなり始める40代50代にはかかせない

プランクはバーベルなどのウエイトトレーニングとは違った効果やメリットがあるので、併用することがおすすめです。